文筆家の松さや香さんは、この10年ほど母親との関係をこじらせていたという。その理由は母親の買い物依存……。自身の年金や松さんの亡くなった父親の遺産までをも使い、大量の衣服を購入。それもブランド品ではなく量販店の、同じようなシャツを100枚以上購入するなど、松さんの理解を超えた行動があったという。前編【年金や父の遺産をすべて洋服代に…娘を震え上がらせた母の「買い物依存」】から続く後編では、母親と長く続いた確執だが、クローゼットの整理を始めたことを機に変化があったという松さんの気持ちについて綴っていただいた。

憂鬱な気持ちになる衣替えの時期

「もうお父さんがいた時の我が家じゃないんだから、自分のためにも貯金して」

そう説得してものらりくらりと言葉をかわされ、カウンセリングを勧めれば失礼だと逆ギレされて対話にならない。怒ってもダメ、なだめてもダメ、それどころかキレられる。娘たちの懇願は届かず、引き続き買い物も止まらない状態が何年も続いた。

妹と顔を合わせればもうお互いから口から母を否定する言葉しか出てこないと気づいたとき、自分たちの生活とメンタルを優先して母とは物理的に離れることにした。以降、5年以上に渡り年に1、2度会う程度まで徹底的に距離を置き、意思を態度で示すほかなかった。

毎年、衣替えの季節になると憂鬱で仕方なかったのは、服の出し入れを通して母への怒りが再燃してしまうからだ。

スタイリスト小山田さんの書籍を参考にクローゼットの整理を実行。合計7つの収納ケース分の衣類を整理したという松さん。写真/著者提供
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今年もまた冬服を出す時期が来てしまった。ああ、うんざり。明日やろう。明後日やろう。まだ暖かい。来週やろう。そんな具合に先伸ばしていたある日、仕事で一冊の本をもらった。それがスタイリストの小山田早織さんの新刊『“着ない服”がゼロになる! 稼働率100%クローゼットの作り方』だった。