文筆家の松さや香さんは、この10年ほど母親との関係をこじらせていたという。その理由は母親の買い物依存。自身の年金や松さんの亡くなった父親の遺産までをも使い、大量の衣服を購入。それもブランド品ではなく量販店の、同じようなシャツを100枚以上購入するなど、松さんの理解を超えた行動があったという。今回は松さん親子の確執ともに、衣服の整理することで変化があったという松さんの心境について綴っていただいた。

片付けで人生が変わる?

11月に発売されたスタイリストの小山田早織さんの『“着ない服”がゼロになる! 稼働率100%クローゼットの作り方』という本をいただいた。それは人気スタイリストさんが出産を機に変化した生活が容赦なく突き進む中、自分自身と向き合い、段ボール100箱分の「衣装」を処分し、自身をアップデートできたという片付けのハウツー本だった。

「片付けをしたら人生が変わる」という下りを読み、そんな大仰な!と思いもしたけれど、ちょうど時期は衣替え真っ只中。人生を大きく変えたいとは思ってはいないけれども、年に2回の衣替えのストレスはなくしたい。そんな動機から始めたクローゼットの片付けだったが、10年近く不仲をこじらせている母親への気持ちが思いがけず少し変わったので驚いた。

Photo by iStock
-AD-

特にこの5年は年に1、2度、1〜2時間程度しか会わなくなるほど距離をとっている母娘関係。世間に冷たい、ひどい、といわれようとも、こちらはこちらでそうしないとならないなりの理由がある。

そう頑なだったけれど、クローゼットを片付けたことで少し気持ちが変わった気がする。この場を借りて少しだけ、高齢の母と中年の娘の「服」にまつわるあれこれを述懐させていただこうと思う。片付けで、わたしの人生変わったかもしれません(わからんけど)。