演出の仕事も、料理も、大切なのは「塩梅」

「演出の仕事も、素材を活かしたり、味を足したり引いたり。料理と似ているところがあるかもしれないですね」と言うと、「それはその通りだと思います」と応じた。

一番気を使うのが、塩梅というか、バランスかな。塩を効かせすぎてもダメだし。時代とともにお客さんが求めるものも変わってきているから、その空気も掴まないといけない。以前は、シェイクスピア劇なんかだと、膨大なセリフを“いかに感情も乗せながらスピーディに言い切れるか”に心を砕いてきましたけど、最近はときどき『何を言っているのかわからない』なんて感想も聞くので。こっちはせっかちなんだけど、もう少しゆっくり喋った方がいいみたいだぞ、なんて思ったり。演出に関しては、ずっと発展途上です」

撮影/山本倫子
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さて、40年以上前、昭和の時代に“火宅”的な生き方に憧れた吉田さんが、令和4年の今、「昭和の頑固親父の生き残り」を演じることになった。「食」と「恋」を描いて多くの人に愛されている伊藤理佐さんの数ある人気コミックの中から、『渡る世間はオヤジばかり』『おいピータン‼︎』『おいおいピータン‼︎』を中核原作に、『チューネン娘。』『あさって朝子さん』などを大胆にリミックスし、“恋”と“家族”と“ゴハン”をテーマにしたホームコメディ「おいハンサム‼︎」だ。

吉田さん演じる伊藤源次郎は、MEGUMIさん演じる妻の千鶴と、東京の長い商店街の外れにある一軒家に住んでいる。3人の娘はそれぞれ独立して立派に暮らしているはずだったが、それぞれに男を見る目がなく、源次郎は娘の恋路が心配で仕方がない。
『闇金ウシジマくん』『カイジ』などで知られるヒットメーカー山口雅俊監督が、「笑って、泣けて、お腹がすく」令和の「寺内貫太郎一家」(※1970年代に向田邦子原作で大ヒットしたホームドラマ)を目指すという意欲作だ。

吉田鋼太郎さんとMEGUMIさんが演じる夫婦の家庭の娘たちが長女の由香(木南晴夏さん)、次女の里香(佐久間由衣さん)、三女の美香(武田玲奈さん)(c)東海テレビ/日本映画放送