2022.01.16
# エンタメ # 韓国

働く女性が夢中になるのも納得…人気「韓ドラ」に共通する3つの「あるある」

『愛の不時着』など人気作品を考察
ペ・リョソン プロフィール

韓ドラあるある2:コンフォートゾーンから、抜け出せ

「韓ドラあるある」は他にもある。これらの3作品は、ヒロインたちが「コンフォートゾーン」から追い出されるところからストーリーが始まる。

『愛の不時着』のセリは、財閥令嬢として都会で何不自由なく育ってきたにもかかわらず、経済的に貧しい北朝鮮に事故で不時着する。はじめは新しい環境と現実を受け入れられず、北朝鮮の住民たちと何度もすれ違う。しかし、セリは月日を重ねるごとに不便な環境の中でも長所を見つけ、最終的にはコミュニティにすっかり馴染む。セリの不器用な姿と周囲の優しさに心が癒された人も多いのではないだろうか。

 

『海街チャチャチャ』も似たようなシナリオだ。主人公のへジンはソウルの歯科クリニックに勤める都会っ子だった。広々としたおしゃれなインテリアのタワーマンションに暮らしており、第1話では彼女の経済力が暮らしから伝わるよう描写されている。ある日、上司との喧嘩をきっかけに職場を去ることになり、亡き母の故郷である田舎の「コンジン(架空の地名)」という海が綺麗な町で歯科医院を開業する。

ソウルでの再就職が難しかったことが理由で渋々田舎で開業を決めたものの、当初へジンは町の人との生活や価値観の違いにとまどう。コンジンの住民との交流を拒否し続けたへジンは、やがて町の人たちと疎遠になり孤立してしまう。しかし、主人公の男、ホン・ドゥシクに助けられるうちにへジンは変化し、徐々に町に馴染んでいく。

シン・ミナが演じるユン・ヘジンとキム・ソンホ演じるホン・ドゥシクの初対面シーン/Netflix 公式YouTubeより

『サイコだけど大丈夫』のムニョンの場合は、少し特殊だ。彼女はパーソナリティ障害を持っている設定であり、独特な感性や価値観から人との繋がりを拒否し孤独に暮らしていた。しかし、同じく主演を務めた精神科病棟の介護士のムン・ガンテと出会い、自分自身というコンフォートゾーンから脱出し、ガンテという愛を求めにいく。自閉スペクトラム症の兄と二人で生きるガンテは、不器用なムニョンの愛情をはじめは鬱陶しく感じ避けてしまうため、関係は一進一退を繰り返す。

3作品の主人公はみな仕事ができるとはいえ、これまでとは真逆の環境にはじめはうまく適応できなかった。周囲とぶつかりながらも助けられるうちに、徐々に考え方や価値観が変化し、人間として成長したことで環境に馴染んでいく。人の助けなしでは生きていけない、また、違いと変化を受け入れることがいかに重要か。これらは近年の韓国ドラマに統一して隠されたメッセージではないだろうか。このようなシーンとメッセージに、女性を中心に人々は知らず知らずのうちに心揺さぶられるてきたのだろう。

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