2022.01.07
# エンタメ

『千と千尋の神隠し』が、「それまでのジブリ作品」と決定的に異なる点

「新しいテーマ」を開拓した作品だった

作品のテーマが大きく変わった

「トンネルのむこうは、不思議な町でした。」

10歳の少女・千尋は、引越しの途中で 神々の住む異世界へと迷い込む。両親が豚になってしまった千尋は、謎の老婆・湯婆婆が営む湯屋でひとり働き始めるが……。

1月7日、金曜ロードショーで映画『千と千尋の神隠し』(以下、『千と千尋』)が放送される。ご存知の方も多いように、2001年7月に公開された同作は、翌2002年3月末の時点で興行収入300億円超えを記録し、第75回アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞、2002年ベルリン国際映画祭金熊賞をはじめ数々の賞を受賞。

来たる3月2日からは翻案・演出をロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアードが手掛け、橋本環奈と上白石萌音のダブルキャストによる舞台劇が帝国劇場で上演されるほどの大ヒット作だ。

© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
 

宮崎駿監督、スタジオジブリの名を国内外に知らしめて定着させた、歴史的な一作と言ってもいいだろう。

同時に本作は宮崎駿監督のフィルモグラフィーにおいて、テーマ的にも重要な転換点となった作品だと筆者は考える。

それは『千と千尋』が、宮崎駿監督がテーマを示すためのモチーフとして、初めて本格的に“水”をモチーフに取り組んだ作品だからだ。

宮崎駿監督作品といえば『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』などに見る“空”と“飛行”、『となりのトトロ』などに見る“大地”とそこに根付く“森”のイメージが浮かぶ人が多いと思う。

しかし前作『もののけ姫』で、1997年当時の日本おける映画の興業収入記録を塗り替えるほどのヒットを飛ばした宮崎駿監督は、なぜあえて“空”や“森”ではなく、“水”を軸にした映画を制作したのだろうか。

宮崎駿監督が記した文章や発言、フィルモグラフィーを通じて考えていきたい。

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