2022.01.17
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「古い」「友人を呼べない」から一転――“社宅”のイメージが変わりつつあるのをご存知ですか?

企業全体としてもメリットが多い

実際に全国に点在する社宅2.0を提供している企業からも同様の声を聞くと福澤さんはいう。また、社員のみならず企業全体としてもメリットが多い。

「ペット可や楽器可のような数の少ない物件を含め、細やかにカスタマイズするほど社員の満足度は上がりますが、そのぶん手間も煩雑になり、もし自分たちで行おうとすると大変な労力が必要となります。また、社宅2.0では物件の手配だけでなく、入退去や更新の手続き、物件オーナーや管理会社との交渉、入居後のトラブル対応まで一切の作業を請け負うため、企業側の負担が非常に軽くなるのです」

photo by iStock

例えば、エアコンの調子が悪い、水漏れがするといったトラブルの対応窓口は、従来の社宅だと総務や人事など社内の部署が対応するが、夜中や土日に問題が起こった場合などは対応がスムーズにいかず社員の生活に影響をおよぼしてしまう。

また、外国人従業員の社宅利用においては料理のにおいやゴミの出し方など、文化や生活習慣の違いから生じる近隣住民からのクレームが多く、地元警察や住民への説明を迫られることもある。こうした諸問題の対応に追われ、担当部署本来の業務が滞ってしまうことも少なくないという。

「そのため近年は、社宅管理を外部業者に委託する社宅代行サービスを活用する企業も増えています。ですが、物件の手配から解約にいたるまで一切の業務を担っている業者は数少ない。しかも社宅2.0とは異なり、あくまで契約は不動産会社と企業になるため、何らかのトラブルが生じた際は自社での対応、判断が必要になってきます」

わかりやすいところでいうと退去精算のトラブルだ。入居時に支払った敷金は、退去する時に原状回復費用を差し引いて返金されることが多い。しかし、敷金は本来、未払い賃料が発生した場合の補填に使われる保証金の一種で、退去時においては入居者の不注意や故意による破損を修繕する場合に用いられるもの。

経年劣化による内装や設備の修繕は貸主が負担するものであり、それは国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にも記されている。にもかかわらず、経年劣化分まで敷金から差し引こうとする貸主はけっこう多い。

「社宅代行でも敷金の清算や回収は行いますが、踏み込んだ金額交渉まで行うところは少ないと思います。一方の社宅2.0は当社が借主として契約しているため、依頼主である企業は敷金の返金に対するリスクそのものがなくなる。企業担当者の業務は契約内容の確認と契約・解約の承認、支払いだけですから主要業務に集中でき、人件費の削減にもつながります」

(撮影場所/WeWork TK池田山)

企業が一方的に用意した住まいではなく社員目線も重視することで、企業と社員双方向のコミュニケーションを生み、ワーク・エンゲージメントを高め合う。これがいま求められている新しい福利厚生のかたちであり、社会に提案していきたいことだと福澤さんは語る。

「昔は仕事とプライベートは分けるものでしたが、いまは『働く』が生活の一部になっているように感じています。だから、私は社員が自分の会社の“ファン”になることが大切だと思う。会社のファンだからこそ生産している製品も好きになるし、会社のためにがんばろうと仕事に励む。こうしたファンを獲得するための重要なツールが幸福度を高める福利厚生であり、ライフスタイルに合った社宅なのだと思います」

(取材・文/中川明紀 撮影/柏原力)