昨年12月に最終回を迎えたドラマ『アバランチ』(カンテレ/フジテレビ)で、「アバランチ」メンバーのひとり、元自衛官の明石リナ役を好演した高橋メアリージュンさん。その華麗なアクションと繊細な演技に、放送終了後のSNSには「カッコいい!」「リナの強さと優しさに憧れる」という賞賛の声が飛び交っていた。
なかでも、最終回でリナが口にした「長いこと、私たちは行動することを忘れていたんだと思います。自分が動いても何にも変わんないって」という言葉に、ハッとさせられた人は多かったのではないか。『アバランチ』は私たちに、あらためて自分の頭で考え、判断し、行動することの大切さを教えてくれる作品だったといえる。

高橋メアリージュンさんの演技のベースにあるのは「人への優しさ」だ。それが悪役であっても、その人に寄り添い、役として生きる。以前ボイストレーナーの先生に言われた、「ただ上手く歌おうとするのではなく、心を言葉にのせる」がその礎となっているのだという。
そんな優しさはどのようにして生まれたのか、メアリージュンさんの生き方をお伝えする連載「優しさと生きる」。第5回目は、モデルとしてデビューしてからの歩みを振り返っていただくとともに、彼女の仕事に対する熱い思いをうかがった。

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16歳の時に『CanCam』のモデルとしてデビュー

ドラマ『アバランチ』の6話で、綾野剛さん演じる羽生が「匿名じゃ伝わらないこともあるんだよ」とボソッと言うシーンがありました。それを聞いた時、「そう、それってものすごく大事!」と心に響いた記憶があります。とてもメッセージ性のある言葉ですし、匿名で言いたい放題しがちな今の時代だからこその台詞だなと。ドラマは時代とリンクしているところがあるので、そういった刺さる言葉に出会うたびに「素晴らしい仕事に就けたなあ」としみじみ思います。

現在は女優として活動させていただている私ですが、スタートは『CanCam』のモデルでした。当時、私は16歳。最初の仕事は確か、春のバッグ企画の撮影だったと思います。小学館の編集部に集合と言われたものの、初めての場所で何階に行けばいいのかすらわからず……。私は30分前行動の人だったので、早朝でまだあたりが暗いなか、関係者が来るのを建物の前でジーッと待っていました。

すると向こうからスタイルのいい女性がやってきて、「もしかして『CanCam』の撮影ですか? こっちですよ」と声をかけてくれるではありませんか。編集部の方に違いないと案内されるままについて行ったところ、階段を昇っている時にその女性が押切もえちゃんであることに気がついて。内心「ええーっ!?」と目ん玉が飛び出るかと思いました(笑)。

と言うのも、私は『CanCam』の仕事が決まってから雑誌を読み始めたのですが、最初に「カッコいい、このモデルさん好き!」と思ったのが押切もえちゃんだったんです。「あの、もしかして押切もえさんですか?」「はい、そうです」「……すみません、ありがとうございます。」みたいな会話をしながら編集部に案内してもらえたので、本当にラッキーでした。

もえちゃんは違う企画で別行動だったのですが、私は編集部でメイクしていただいてから逗子に移動。当日のメンバーには蛯原友里さん、徳澤直子さん、大桑マイミさんたちがいて、緊張しながらもなんとか無事に撮影を終えることができました。皆さん気さくなとても良い人ばかりで、よく聞くモデルさんどうしのバチバチも皆無。「見た目も中身もキレイな女性になりたい」と。私にとって、忘れられない学びの一日になりました。

CanCam時代のメアリージュンさん。仲良しの近藤しづかさんと 写真提供/高橋メアリージュン