2022.01.08
# ビジネス

朝5時半に始業、「時間指定」のプレッシャー、圧倒的孤独…ラストワンマイルを支える配達員のリアル

竹内 謙礼 プロフィール

時間に遅れた、荷物が濡れた…尽きぬクレーム

一方、不在で荷物を受け取ってもらえなければ、ドライバーの取り分はゼロとなる。不在はドライバーにとって大きな痛手だ。

「指定した時間に荷物を受け取ってくれるだけで、ラストワンマイルの職場環境は大きく改善されます。しかし、現状、不在にされる方は多いです」

Photo by iStock

配達時間の指定は、シンプルに人と人との約束である。しかし、商品を購入したお客は到着する荷物と約束をしたと思っているので、指定した時間に予定が入ると「再配達すればいい」と、簡単に約束を反故してしまう。

「一番ありがたいのは、『◯時に来て』と言われないお客様です。時間のプレッシャーから解放されることは心理的に助かります」

 

荷物を届けるのが「人」である以上、私たちも、その「人」のことを考えて、不在にしない努力をする必要がある。

しかし、ラストワンマイルの現実は厳しい。時間通りに荷物が届かないことで、烈火のごとく怒る人もいる。指定時間に間に合わず、迷惑をかけてしまったのは事実だが、交通事情や突発的なアクシデントに影響を受けやすいラストワンマイルの配達事情を考えれば、時間通りに商品が届くことの方が、むしろ奇跡といえる。

そんな彼らを頭ごなしに怒っても、時間が巻き戻せない以上、状況が改善されることはない。常に時間との戦いを強いられているドライバーの立場を考慮すれば、配達の遅れに目くじらを立てることは、ほどほどにとどめておいたほうがよさそうである。

「雨の日に荷物が濡れたと怒られるケースもよくあります。私たちも自分たちがびしょ濡れになってもいいから、荷物だけは濡れないようにする努力はしています。しかし、あまりにも雨が強い日などは、たとえ袋をかぶせたとしても商品をお渡しする際に水滴がついたりしてしまいます」

ダンボールは荷物が壊れたり、濡れたりしないようにするための“入れ物”である。しかし、日本の宅配サービスはいつの間にかダンボールもキレイに届けることがスタンダードになっている。そのサービスに慣れたお客が、ダンボールが雨に濡れたと配達員を怒鳴りつける。荷物が届けられることが当たり前になり過ぎてしまい、その荷物を届けてくれるのが「人」であることを、忘れてしまう人は多い。

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