2022.01.08
# ビジネス

朝5時半に始業、「時間指定」のプレッシャー、圧倒的孤独…ラストワンマイルを支える配達員のリアル

竹内 謙礼 プロフィール

ドライバーの大半は個人事業主

話を聞いて驚いたのは、ラストワンマイルの軽貨物のドライバーのほとんどが個人事業主である点だ。正社員、アルバイト、派遣社員と様々な雇用体系が存在しているが、配達の仕事は残業代が膨れあがるため、企業側も個人事業主と契約を結んだほうが都合はいい。

「車も個人所有のものになります。私も中古の軽バンを1台買いました。軽貨物運送業を始める時はお金がなかったので、車両を譲ってもらった運送会社へ毎月分割で支払っていました。宅配会社からレンタルするケースもあります」

仕事を始めた日は先輩が横に座っていろいろ教えてくれる。しかし、1週間後には独り立ちして配送することを求められ、もっと早くに独り立ちを求める企業も数多くある。ペーパードライバーだった濱田さんは最初のうちは運転に戸惑ったものの、やり方と道さえ覚えれば、1ヶ月後ぐらいにはスムーズに宅配の仕事ができるようになったという。

 

収入はどのくらいなのか。

「私は企業配送が主だったので個人宅配のドライバーに比べれば収入は少なめでした。日当が1万5000円ぐらいで、1ヶ月で35万円ぐらいの稼ぎでした」

この収入からガソリン代、保険代、車の消耗品の費用などが引かれる。手元に残るお金は決して多くはない。

「私はそもそも業界未経験だったのもあり、正直、『こんなに働いて、これだけ?』と思いました。宅配の仕事は事故や違反のリスクを抱えながら、時間のプレッシャーとも戦わなければいけません。もちろん向き不向きはありますが、どんな方でもできる可能性がある仕事ではあります。もう少し報酬体系や労働環境は改善する余地はあると思います」

個人宅配のドライバーであれば、月に100万円近く稼ぐ猛者もいるという。しかし、荷主との直接の取引なのか、それとも物流会社からの1次請負なのか、2次・3次請負なのか、どの商流に位置しているのかで配送料が大きく変わってくる。

ラストワンマイルの収入の増やし方のコツを聞いてみた。

「配達エリア内のお客様を覚えることです」

住所を見ただけでそのエリアが頭に浮かび、名前や建物名を見ただけで、何時頃に行けば荷物を受け取ってくれるのか、即座にイメージできるようになれば、配達時間を大幅に短縮させることができる。常連客を覚えるという意味でいえば、一般的な客商売と大きく変わらない。

荷物を届けた時に「ありがとう」「ご苦労様」と一声かけてもらえることがドライバーにとってのやる気に繋がるという。

「その言葉が欲しくて、時間通りに荷物を届けることに必死になるドライバーもいます」

届ける人にも、私たちと同じように仕事の“やりがい”が存在している。

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