2022.01.08
# ビジネス

朝5時半に始業、「時間指定」のプレッシャー、圧倒的孤独…ラストワンマイルを支える配達員のリアル

ネット通販で買った商品が、1~2日後に届くことは、すでに当たり前の世の中になっている。ネットでの買い物は蛇口をひねれば水が出てくるのと同じで、すでにインフラに近い存在になりつつある。

しかし、その利便性の高さから、商品を届けてくれる“ラストワンマイル”の配達員たちが「人」であることを忘れてしまうことがある。商品を玄関に置いてくれる“置き配”が増えたことで、配達員と顔を合わせる機会も少なくなった。感染対策で印鑑やサインも省略されて、顔もマスクで覆われている。配達員の印象はほとんど記憶に残っていない。

ラストワンマイルで働く人たちは、どのような職場環境で働いているのか。自宅や職場に商品を届けてくれる配達員の現場を取材してみた。

朝5時半から、プレッシャーのかかる仕事が始まる

「ビジネスチャンスがあると思って、この業界に飛び込みました」

そう話すのは株式会社canuuの代表取締役・濱田崇裕さん。27歳だ。大学卒業後、人材サービスの会社を共同創業した際、物流業界の急成長を目の当たりにして、大手宅配会社で働くことにした。現在は物流事業を始め、物流業界向けのITサービスの事業を行なっているが、当時は新宿周辺の企業への企業配送を請け負っていた。

株式会社canuuの代表取締役・濱田崇裕さん

1日の仕事の流れを聞いてみた。

5時半に都内の物流拠点に行き、伝票を確認しながらひとつひとつ自分の軽貨物車に荷物を積んでいく。

「この作業が思いのほかプレッシャーなんです。企業ごとにきちんと仕分けせずに、誤配送をしてしまったら、次の仕事が任されなくなってしまいます」

物流拠点に到着する大型トラックが遅れて、配送時間がギリギリになることもある。しかし、それが配送をミスした理由にはならない。荷物を届けることも大事だが、それと同じぐらい、積み込む作業も慎重に行わなければいけない。

荷物を積み込む濱田さん
 

積み込みを終えて配送に向かい、午前中には配達が終了する。昼食を急いでかき込んだあと、都内の集荷などを行い、17時頃には仕事が終わる。12時間ぐらい働くことを考えれば、一般の仕事よりも労働時間は長いといえる。

「企業が相手だったので、ルートが大体決まっていました。配送の中では楽な仕事のほうだったと思います」

企業配送よりも、個人の自宅に荷物を届ける業務のほうが、ルートが不規則になる。当然、仕事は激務となる。しかし、個人宅配のほうが日当は高く、荷物の量も多い。「稼ぐなら個人宅配」というのが業界では常識になっているそうだ。

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