多様化する選択肢

『中学受験基本のキ!』(西村則康、小川大介著、日経BP社)によると、個別指導塾に通う目的は、「苦手な科目や分野を克服する」「学習法を身に付ける」「テストや入試の対策をする」の三つ。「個別だから、手厚いだろう」と安心せず、集団塾選びと同様に、面談をしたり授業の質をチェックしたり、判断する必要がある。

中学受験は、遊びたい盛りの小学生に対して不自然なことを強いる面がある。集団塾は、圧力を自然にかけてくれる場所で、みんなも頑張っているのだから、自分も頑張ろうという気持ちになれるーー。そう小川氏は指摘する。集団が辛ければ個別指導に変えてもいいし、頑張れる子は、集団塾に通いながら個別指導塾を併用し、ついていけるように修正するという。

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取材したGさん親子は、早めに対策を考えて個別指導を併用し、苦手科目を克服した。Hさんの母は「もっと早くから、勉強の様子を見てあげればよかった」と言いつつも、直前期にポイントをしぼって入試対策を依頼し、Hさんは自信を持てた。

「受験するなら、集団塾に従わなければ」という雰囲気は、いまだに強い。確かに、集団塾では仲間と高め合い、情報を得ることができる。一方で現在は、オンライン授業や動画、個別指導など選択肢が増え、SNSでノウハウを発信する講師・保護者もいて、中学受験の準備は多様化している。子供によって適性や個性があり、保護者がどれだけサポートできるかも違う。かけられる費用や時間にも、限りはある。その子に合った場所を探し、負担になりすぎない方法を選択していくことも必要だと思う。

中学受験をするか、しないか。大手塾か、個別指導か、それとも併用か――金銭的にも体力・気力的にも負担は出てくる。すべては子どもと向き合い、親子で話し合って決めることになる Photo by iStock