閉ざされた村で5人の女性を次々と惨殺…「内臓をえぐり取った男」の「本当の狙い」

穂積 昭雪 プロフィール

だが、勝太郎の証言には一貫性がなく「自分が殺したのは最後の48歳女性のみだ」「失敗した32歳は暴行目的であって殺害しようとしたわけではない」と証言したかと思えば、今度は「残った肝は水車小屋で天日干しにしていたらカラスに食べられてしまった」という辻褄の合わないことを口走っていた。

 

結果、勝太郎の言う「大阪商人」は実在したかどうか最後まで怪しく「例え他人に強要されたとしても決して許すことのできない残虐な所業」とし、逮捕から約2年後の1908(明治41)年6月に東京監獄にて勝太郎の死刑が執行されることになる。以来、辰野の地では世にも恐ろしい「肝取り」の事件は発生していない。

事件から115年余り。罪のない女性5人と乳飲み子1人の計6人を殺し生き胆を奪った明治時代の殺人鬼「肝取り勝太郎」。日本における臓器ビジネスが過去の歴史となった今、本事件を知る者は地元民でも限られているようだ。

【参考文献】
・『長野県警察史 : 犯罪編』 (長野県警察本部)
・『あゝ野麦峠―ある製糸工女哀史』(朝日新聞社刊)
・『実録肝取り勝っつぁ』(鳥影社)
・『信濃毎日新聞』

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