日本の株価が32年前の水準に戻る間に、米企業の時価総額は12倍に

円安が日本企業の技術力を削いでいる
野口 悠紀雄 プロフィール

バブル崩壊、そして円安

なぜこのようなことになったのだろうか?

最大の理由は、日本企業の時価総額が90年頃に膨らんでいたのは、バブルによるものだったことである。とくに、金融機関について、それが顕著だ。(日本企業の時価総額合計は、1992年には 2.225兆ドル、1997年には 2.085兆ドルに落ち込んだ。1997年から2020年間では、3.2倍になっている)。

もう1つの大きな理由は、円安だ。

日本円は、2000年代以降、傾向的に減価した。これは、「実質実効為替レート指数」という指標で表わされる。これは、基準時点と同じ購買力を実現する為替レート(購買力平価)と、現実の為替レートとの比率を表わすものだ。この指数が100であれば、基準年次と同じ購買力だが、100を下回れば、基準年次より購買力が低下していることになる。

 

実際のデータを見ると、1990年に100程度であった指数が、2021年11月には67.8にまで低下している。購買力が90年と同じであれば、現在の日本の株式時価総額は、1.47倍になる。したがって、21年7月の日本株の時価総額合計は、6.52兆ドルではなく、7.62兆ドルになる。

だから、アメリカとの比率は、6.6倍になる。それでも、大きな差だ。

そして、換算為替レートが変われば、GDPの比率も変るから、株価時価総額とGDPの比率との間で上述のような差があることには変わりはない。

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