これが台湾を巡る米中の対立点、「1つの中国」は実は2つ存在する

こっそり見直しを始めたバイデン政権

「1つの中国」で別々なことを主張している

近年、米中間で覇権をめぐる争いが激しくなっているが、その主戦場となっているのが「台湾」であることは衆目の一致するところだろう。

by Gettyimages

過去30年余りの間に着実に民主化を進めた台湾は、国際ジャーナリスト団体であるRSF(国境なき記者団)が毎年発表している世界報道の自由度ランキングでは、2021年のデータで43位と、日本の67位を優に上回っていて、アメリカの44位よりもさらに上位にある。

しかし共産党の独裁下にあり、同ランキングで177位と下から4番目の中国は、この民主台湾を自国の一部と見なしていて、その独立の動きに対しては武力を行使してでも阻止する構えを崩していない。

中国のこうした基本方針を「1つの中国原則」(中国語で「一個中国原則」)と呼んでいるが、実は台湾問題で中国と厳しく対立しているアメリカも、これまで一貫して「1つの中国政策」(英語で「One-China Policy」)を唱えてきた。両者は「1つの中国」の部分が同じなので、少なからぬ人たちがその内容までもがほぼ同じものと解釈しているようだ。

例えば、2021年4月10日付けの日本経済新聞は、米国務省が台湾との政府間交流を拡大する新しい指針をまとめたという記事の中で、『(中国大陸と台湾は1つの国に属するとする)「1つの中国」政策を……』という記述で「1つの中国」政策を説明している。

 

詳細は後述するが、この表現は誤りである。その後、日経は、ある時期から表現を変えており、例えば同年11月17日付けの記事では、「バイデン氏は中国本土と台湾は不可分と言う中国の立場には異を唱えない一方、台湾の自衛力向上を支援する従来方針を説明」などと表記している。こちらの表現なら間違いではない。

関連記事