何よりも「面白い」かどうか
そもそも、報道番組やドキュメンタリーではなくバラエティなのだから、けっきょく見ていて面白ければ、今回ほどの批判はあがらない。松本人志は『水曜日のダウンタウン』が「ギャラクシー賞とBPOが紙一重」の番組であることをたびたび口にしているが、どちらの対象になっても、ならなくても、面白いから大勢に影響はないのだ。
その意味で、批判の声が目立つ『ジョブチューン』『アイ・アム・冒険少年』は、残念ながら現段階では「面白くない」と感じている人が多いのではないか。
TBSのバラエティは、このまま同じようなことを繰り返していたら、「どうせあの番組もやらせだろう」と決めつけられてしまうだろう。さらにバラエティへの不信が局全体への不信に飛び火し、報道番組やドキュメンタリーなども「信用できない」と言われてしまうリスクも生まれつつある。
他局を見渡すと、「民放主要局の日本テレビ、テレビ朝日、フジテレビが手がけるバラエティが順調か」と言えば、答えはノー。レギュラー番組の勤続疲労と新番組の不発が続き、TBSほどではないにしろ、3社ともに危うさを見せている。
せっかく視聴者と業界人の両方から絶大な人気を誇る『水曜日のダウンタウン』があるのだから、その強みを他番組に波及させられれば3社をごぼう抜きして「バラエティのTBS」として浮上することも夢ではないはずだ。