おせちを大晦日に食べ始める夫

偶然にも夫と私はお正月の「当たり前」として新品パンツが一致したが、違う土地柄、違う家庭で育ってきた者同士の結婚生活では、相手の「当たり前」が自分にとっては「ありえない」お正月の習慣だったりする。

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「あまりの驚きに、持ってた包丁を落とすほどの衝撃だった」と笑いながら語るのはAさん。新婚の年末「はっちゃけて」手作りおせちに初挑戦した彼女は、数日前から仕込んだ煮豆や数の子を、大晦日にお重に詰めて風呂敷に包んでおいた。夕飯を準備しながらふとリビングを見ると「先に飲んでるね~」と言っていた夫が、紅白を見ながら、なんとおせちをテーブルに広げて、酒のつまみにしているではないか!

せっかくがんばってお重に詰め、元旦にいただこうと思っていたおせちを…!写真はイメージです。photo/iStock

「その後は、2年越しの大喧嘩。おせちは元日の朝、家族で年始の挨拶をしてから食べるもんだと思ってた私と、大晦日から酒のつまみ感覚で食べ始めるのが当たり前という夫の主張は、真っ向から対立。『年末から食べるなんて非常識!』、『おせちなしの紅白なんて、年越しじゃない!』と互いに譲らず、ネットのお正月マナーや風習を調べては自説を強弁したり、それぞれの実家に電話して「当たり前」を確認しつつ愚痴り倒すなど、大バトルに発展。

結局、義母に『私も嫁いできたとき変だなあと思ったけれど、この地方(北海道)では大晦日に食べ始めるみたいなの。息子に“これは北海道限定よ”って教えておかなくてごめんね』って謝られて。それで夫は『これが当たり前だと思ってた。ごめん』と謝罪。

私も喧嘩の最中、口汚く罵ったのを大反省。せっかくの手作りおせちも味わうどころじゃなくなっちゃって、翌年からは小さいサイズのおせちを2個買って年末と元旦に食べることにして解決したの」(Aさん)

お雑煮のレシピが地方ごとに違うことは知っていても、おせちを「いつ食べるか」が住む地域によって違うなんて、知らなかった。