2018年内閣府が発表した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」では、13歳から29歳を対象としてアメリカ・韓国・イギリス。ドイツ・フランス・スウェーデンとの意識調査の比較や、2014年の調査との比較などがグラフ化されている。そこから見えてくるのは、日本の若者が7 ヵ国の中でもっとも自己肯定感が低く、なおかつ5年前より一層「自分が役に立たない」と感じていたことだ。なぜそうなってしまうのか。ジャーナリストの島沢優子さんが考察する。

島沢優子さん連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件~」今までの連載はこちら
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通知表を気にし過ぎる理由

前回のこの連載『通知表は誰のため?クラスにCがゼロなら「つけ直し」指令も…小学校教員のジレンマ』で、通知表のつけ方について書かせていただいた。小学校で音楽科教師を務める女性が、他教科と比べ音楽科だけ「C」評価が少ないと、管理職から「つけ直し」を求められたという話を聞いたからだ。

学校によっては全教科の評価を学年で「見合わせをする」慣習があるという。クラスごとで評価に「差」が出過ぎないようにするためだ。「何事も平均的にしなければいけないという固定観念が教師側にあるからでしょう」と女性は話したが、教員と思しき方々から「僕も高すぎるから差をつけろと言われた」「学年で協議される。いつも絶対評価にならないよなと悩ましい」と共感するメッセージをもらった。

首都圏の公立中学校で教壇に立つ男性からはこんな話を聞いた。
評価方法はさておき、生徒が通知表の点を気にし過ぎるのも問題です。お利口さんに見せようとする子どももいます。多くは親からのプレッシャーがきつそうでした。そういう子は、本当に興味関心を持って勉強していないので入試に弱い。2年生くらいから伸びません」

子どもが挑戦したくても、親がストップしてしまうことが…Photo by iStock

3年生になって模試を受け始めると、志望する都立高校には届かない。少し落とした学校へのチャレンジを勧め、本人もやる気を示していたが、母親が「その都立なら、推薦でいける私立高校のほうが偏差値が高い」と言い出した。

「偏差値の数字だけではなく、進学実績や他の内容もきちんと見たほうがいい。(勧めた都立高校は)悪い学校ではないですよと言ったのですが、なかなか説得できなくて。他の親御さんも同様ですが、偏差値の“数字”しか見えなくなるようです。推薦が悪いとは言いません。ただ挑戦してほしいと僕は思う。」

勉強に力を入れようとするそばから「推薦でいいのでは?」と言われれば、モチベーションも落ちてしまう。模試の点数が上がらないなか、母親が体調を崩してしまった。そろそろ志望校を決めようとなったとき、その生徒は付属の大学がある私立高校の推薦入試でいくことを決めた。理由を尋ねると「一般入試でいって僕が落ちたら、母親が立ち直れないと思うので」と言われたそうだ。