木南晴夏さんが出演する最新ドラマが、“恋”と“家族”と“ゴハン”をテーマにしたホームコメディが、1月8日から放送となるドラマ「おいハンサム!!」だ。「食」と「恋」を描いて多くの人に愛されている伊藤理佐さんの数ある人気コミックの中から、『おいピータン‼︎』『おいおいピータン‼︎』を中核原作に、『渡る世間はオヤジばかり』『チューネン娘。』『あさって朝子さん』などを大胆にリミックス。吉田鋼太郎さんが、「昭和の頑固親父の生き残り」の伊藤源太郎役、木南さんは、源太郎の娘でしあわせを掴もうと生きる三姉妹の長女・由香を演じる。
木南晴夏さんに新年に向けて「幸せな食」をテーマにお話を伺った。

撮影/山本倫子
木南晴夏(きなみ・はるか)
1985年生まれ。大阪府出身。2001年「第一回ホリプロNEW STAR AUDITION」でグランプリを受賞しデビュー。映画「20世紀少年」の小泉響子役で注目を浴び、その後多くの映画やドラマに出演。近年の主な作品にドラマ「勇者ヨシヒコシリーズ」「越路吹雪物語」「海月姫」「大恋愛〜僕を忘れる君と」など。食生活アドバイザー2級、パンシェルジュ3級の資格も持つほどのパン好き。著書に「キナミトパンノホン」(講談社)がある。2022年3月~4月はミュージカル「ブラッド・ブラザーズ」に出演する。
-AD-

自分にとって普通なことも、他人からは普通じゃない

昭和を代表する名脚本家であり作家の向田邦子さんの小説やエッセイには、食卓の風景が数多く登場する。複数の人たちで食卓を囲む行為は、その人たちの間に何らかの温もりある心の繋がりを感じさせるものだ。生きることは食べることでもある。何かを“食べる”という原始的で動物的な行為に対し、自分なりの愛情を言葉や肉体を通して表現できる人は、それだけで魅力的だ。美食家という意味ではなく、「私は〇〇を食べる行為を愛しています」とシンプルに宣言することは、自分の持つ“生理”や“食の原風景”を語ることになるからだ。

パン好きとして知られ、20年の3月に初の著書である『キナミトパンノホン』を刊行した木南晴夏さんに、パンを好きになったきっかけを聞いたときも、最初に返ってきたのが、食卓の原風景に関する答えだった。

2020年3月に刊行した初の著書。厳選した48件のパン屋さんを紹介している

「母が昔、パン工場で働いていたんです。だから、家にはいつもパンがありました。朝ごはんがパンで、おやつもパン。ただ、パンがいちばん身近な食べ物だったので、毎日食べ続けていました。それが特別なことだとは思っていなかったので子供のころは今ほどの“パン愛”ではなかったかもしれないです。でも、16歳で親元を離れて上京して……しばらくしてかな。好きなパン屋さんを調べて、そこのパンを食べた感想をノートにメモするようになりました。

当時はまだSNSが今みたいに普及してなかったので、本当に手書きのメモだったんですが、あるとき、当時のマネージャーさんから、『それってすごく変わってる。特別なことだよ。パンや食べることへの情熱は特別なものだから、それを形にしたらいいんじゃない?』とアドバイスされて、そこから、パンシェルジュや食生活アドバイザーの資格取得や、『おとなの週末』にパンの連載を始めることにもつながりました。自分にとって普通なことも、他人からすれば普通じゃない。そう気づけたことが、人前で堂々と“パン愛”を叫べるようになったきっかけですね」