中国相手に一歩も引かない痛快な国、リトアニアの正体

私が知っている「小国の意地」

ソ連崩壊の過程でも、もっとも早く独立

人口約280万人のヨーロッパの小国が大国・中国相手に大立ち回りを演じて、世界の注目を集めている。その国はバルト三国のひとつ、リトアニア。かつてはちょうど30年前に消滅したソ連邦の構成国のひとつで、現在はEU加盟国だ。日本との関係で言えば、第二次世界大戦中にこの地に赴任していた日本人外交官・杉原千畝氏がユダヤ人に発給した「命のビザ」が有名である。

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リトアニアが中国に決闘の手袋を叩きつけたのは今年5月のこと。議会が中国の新疆ウイグル自治区での人権問題について「ジェノサイド(大量虐殺)である」と決議した。さらに中国が中・東欧で進める経済構想圏から離脱した。

さらに中国を苛立たせたのは、台湾と急接近していることだ。2021年7月には台湾がリトアニアに事実上の大使館に相当する機関を設置することを発表、リトアニアも台湾に同様の機関を置くと発表した。蔡英文総統が就任して以来、ここ5年間で台湾は中国の戦狼外交によって7ヵ国との外交関係を失っていた。そこでいきなりリトアニアだ。台湾がヨーロッパに代表機関を置くのは18年ぶりという。蔡総統の右腕である陳建仁・前副総統はリトアニアを訪問して「リトアニアは自由と民主主義の先駆者だ」と称賛したという。

もちろん中国も反発を強めている。まずは駐リトアニア大使を召還し、中国にあるリトアニア大使館の名称を変更して外交上の「格下げ」にしたという。さらに12月21日のロイター電によれば、多国籍企業に対してリトアニアとの関係を絶たなければ中国市場から閉め出すと圧力を掛けているという。

リトアニアがこれほど中国と対決姿勢をとるのは、中国がロシアと接近していることの警戒感がある、という。両国とも強権主義の国であり、リトアニアはかつてソ連に併合された歴史もある。だから30年前のソ連解体の過程でもっとも早く独立宣言をしたのはリトアニアだった。

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