塾は成績や成長にプラスばかりではない

私は小学校4年生まで日本にいたのですが、親の仕事の都合で中国に帰国した私は、中国の学校の教育内容についていけるよう、放課後や週末はほぼ塾漬けになってしまいました。

まだ日本に居たころ、数学は得意科目なはずだったのが、北京の「国際数学オリンピック塾」に通ったとたん、私は初めて実力の差というものを痛感しました。同年代なのにスラスラと難問を解いて行く秀才たちを目の前に、一問も解けなく、焦燥感に襲われる私。本来好きだった数学への興味を、私はその塾で完全に失ったのでした。

-AD-

個人の体験談だけではなく、中国の蘇州市で行われた教育の質に関わる調査に関しても、面白い結果が出ていました。塾に通っている中学生と、通ってない中学生の成績を調査したところ、なんと塾に通っていない学生の成績の方が、通っている学生の成績を上回っていたのです。

全国規模の調査ではないので、必ずしもこういった結果になるとは限らないのですが、やはり長時間の塾での勉強は、子どもに必要以上のプレッシャーを与えたり、学校の宿題にかける時間を奪ったりして、悪循環に陥ることもあるのです。

実際、私が大学を受験した年に学年トップの成績を出した子は、生まれて一回も塾に通ったことがなかったのです。彼女曰く、「全ての知識は教科書の中にある」。教科書の一文一句をちゃんと理解し、消化することが一番大切なのだそうです。

しかし「塾は良くない!行かない方がいい!」とも、私は思いません。日本の小学校で英語を一切勉強してこなかった私が、たったの三年間で学年トップの英語の成績を取れたのは、良い英語の塾の先生にめぐり逢えたからですし、高校生の時、「大学に入ってからやるべき大切なこと」を運良く早い階段で心に刻み込めたのは、素晴らしい国語の先生に出会えたからです。

なので結局、塾へ行くことが良い結果を生むかどうかは、本人の意思と選択次第で、結果が変わってくるものだと思っています。