コロナ禍増殖、尊き『推し活』の世界

2021年の新語・流行語大賞にノミネートされた「推し活」。推し活自体は、2000年代から使われている言葉だが、コロナ禍になり、憂鬱な毎日を「推し」のチカラで乗り切ろう、という空気が定着した。

2020年12月に矢野経済研究所が調査によると、さまざまな推し活を合わせた経済効果は6000億円以上とも言われている。

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「推し活」している人に実際に話を聞いてみるとー、

「K-POPなんて絶対ハマらない、と思っていたのに、BTSに瞬殺落ち。そこから、ファンクラブ入会はもちろん、過去のライブ映像を買いまくり、大きな画面で彼らを楽しみたいと、65インチの有機EL 4Kテレビを購入。さらに、オーディオもそれに見合うものにリニューアル。いつでもどこでも動画を観たいから、ipadも購入。さらに、身に着けているアクセやバッグも気になって……。驚くほど出費しているけど、コロナ禍なのにすごく充実して毎日が忙しくて楽しくて。そんな自分に自分が一番驚いています。今年も頑張って働いて、推します!」(48歳 外資系勤務)

浦島坂田船にハマって、人生が変わりました。感染対策もバッチリして、先日も幕張ファイナルに参戦。無事に終わって本当によかったと思っています。推しがいるから頑張れる。それに推しを通して、SNSでいろんな人ともつながることができて、世界も広がりました!」(23歳 大学院生)

などなどなどなど……、他にも、すとりぷ、Snow Man 、NCT、鬼滅の刃、呪術廻戦、刀剣乱舞、他にも国内のグループ、K-POP、アニメ、VTuber、ミュージカル、声優……とジャンルもボーダレス。でも、ジャンルは異なっても、共通しているのは、「推し」がいるだけで毎日が変わった、新しい発見や気づきがあった、エネルギーをもらえる、生きているって感じがする、他では得られない充実感を感じる、知識やネットワークが広がった、という人が多かった。

身近にいる人以上に、「推し」と時間も気持ちも共有している人が多い。恐るべし「推し」、尊き「推し活」なのだ。

(c)八田 てき/一迅社『やくざの推しごと』1巻より