多くの日本人が、箱根駅伝に「こんなにも熱中」してしまう理由

もはや〈神なき時代〉の神事である

もはや「国民的なイベント」

日本テレビ系で中継された昨年(2021年)の第97回箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)の関東地区の平均視聴率は、2日の往路が31.0%、3日の復路が33.7%だったという(ビデオリサーチの調査による)。

関西地区の平均視聴率は往路が18.9%、復路が22.0%であり、関東地区よりも10ポイント以上低い。それにしても箱根駅伝の中継放送が、「お化け番組」のカテゴリーに含まれることに変わりはない。

そこでは箱根駅伝が、国民的なイベントになっていることがはっきりと示されている。

そのことは箱根駅伝が、正月三が日に開催されることと無縁ではない。全国規模の大学駅伝(男子)である伊勢路(全日本大学駅伝対校選手権大会)や出雲(全日本大学選抜駅伝競走)がいま一つ注目を浴びないのは、箱根よりも歴史が浅いことに加えて秋に開催されていることに一因があろう。

元々年末年始に高視聴率を上げるTV番組は、祝祭的な性格を備えている。箱根駅伝もまたTV棧敷を前に繰り広げられる、スポーツの祭典にほかならない。

Photo by iStock
 

失われていった正月の遊びや祭り

わたしは国道一号線(旧東海道)沿線に住んでいるので、箱根駅伝を沿道で観戦することも多い。いつも思うのは、沿道の人々がどの走者にも惜しみない声援を送っていることである。すなわち野球観戦やサッカー観戦などで見られる、敵味方に分かれての応援の光景はここにはない。

サッカー観戦でも元日に国立競技場で行われる天皇杯(全日本サッカー選手権大会)の決勝ともなれば、大半の観客の応援は鷹揚なものである。一言で言えばそこには、正月気分が溢れている(なお直近の天皇杯の決勝は、諸般の事情で昨年末に行われた)。

関連記事