2021.12.29
# ドラマ

『最愛』『恋です!』『ハンオシ』…10月ドラマが描いた「21世紀型の恋愛」の正体

堀井 憲一郎 プロフィール

7歳レベルの恋愛感情

そしてもっともピュアだったドラマが『ラジエーションハウス2(「2」はローマ数字)』だ。

五十嵐(窪田正孝)と甘春医師(本田翼)の二人のピュアさは「小学生レベル」であった。しかも低学年7歳レベル淡い恋愛感情のままドラマは展開する。ある意味、ちょっとすごい。

二人は小学校の同級生で、そのときは好き合っていたようで、小学生だから「将来の約束」をしている。将来の約束といっても、彼女が世界一の医者になるから、彼は彼女を助けるための世界一の技師になる、というだけの約束で、結婚などの約束ではない。

五十嵐(窪田正孝)はその約束を22年守り続け、29歳になって約束通り腕のいい技師となって、甘春医師(彼にとってはアンちゃん)に会いに来る。

 

でも彼女は彼のことをまったく覚えていなかった。

そこで彼は「小学校のときの同級生だった僕だよ、約束したじゃないか」とは言わないのだ。言えばいいのにと、もどかしくおもうが、頑なに言わない。

その気持ちが、恋愛を進めさせない。

彼女が覚えてないのは、どうやらつらいことがあったからのようで、自分のことをおもいださせると一緒につらい思いもしそうだから、言わない。そう決めている。

相手のことを慮る気持ちが恋愛を進展させないのだ。21世紀恋愛もののパターンどおりである。ただ、この場合7歳のときの記憶がもとになっているので、かなりコミカルではあるのだが。

いつになったら幼馴染みであるということを告白するのだろう、というもどかしさは、第一シーズン(2019年4月木)から始まって、それが解消されないまま第二シーズン(この2021年10月期)を通してそのままであった。(最後に少し触れたのだが、明確にはされなかった)。

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