2021.12.29
# ドラマ

『最愛』『恋です!』『ハンオシ』…10月ドラマが描いた「21世紀型の恋愛」の正体

堀井 憲一郎 プロフィール

刑事となった大輝(松下洸平)のモノローグで始まったからといって、彼の「恋愛」物語ではなかったのだ。途中、彼はいわば狂言回し(ドラマ展開の案内役)となっていた。「ミステリー部分」では彼はずっと視聴者側にあった。つまり犯人ではないし、真犯人が誰なのかはわかっていなかった。

ヒロイン梨央(吉高由里子)は、ずっと向こう側にいた。ひょっとしたら犯人なのではないか、と疑われる側である。

ドラマの「あっち側とこっち側」の物語であり、そういうポジションではふつう恋愛は進展しない。ピュアなままであった。高校生と大学生の淡い付き合いのまま、物語は進んでいった。

最後は二人一緒にお墓に参り、手をつないで歩いていった。小さい手やな、あったかい手やな、と言い合うのがラストシーンである。ドラマ冒頭セリフと呼応する終わり方ではあるが「手をつなぐ」までであった。だいたい中学生レベルくらいのピュアさであった。

 

『恋です!』のピュアネス

この秋のドラマの恋愛は、ピュアなまま展開する、というのが目立った。

日テレ水曜ドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』もそうだった。

タイトルが「恋です」とストレートに恋愛ドラマとなっている。それでもピュアである。

弱視の女の子ユキコ(杉咲花)と、ヤンキーでフリーターの黒川(杉野遥亮)の恋物語だった。

たまたま街で行き会った二人は、惹かれ合うのだが、その進展はゆっくりである。

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