2021.12.29

インフレ、円安…2022年の日本経済を「決定的に左右する」6つのポイントを読み解く

加谷 珪一 プロフィール

(5)コロナで打撃を受けた業界は復活するのか?

一連の動きは、zoomなどITツールを使った在宅勤務の拡大や業務の自動化など、コロナ危機をきっかけとしたビジネス・プロセスの見直しと密接に関わっている。コロナ終息後、たいていの生活習慣は元に戻るだろうが、一方、コロナ禍で普及したスタイルが定着するケースも少なくない。

コロナ危機で大きな打撃を受けた旅行関連業界は、コロナ後の急回復が期待されているが、一方で各社は大幅な事業戦略の見直しを迫られている。特に大きな変化が予想されるのは航空業界や鉄道業界である。ANAやJALなど航空各社はコロナ後の戦略としてLCC(格安航空会社)の強化を打ち出した。コロナ後、ビジネスの出張は大幅に減ると予想されており、プライベートな移動ニーズを取り込むため、LCCを強化していくという。

JR東海も、新幹線のビジネス利用は元に戻らないと予想しており、鉄道収入以外の収益源の開拓が必須となっている。大都市圏の鉄道についても同様で、在宅勤務が定着することで利用客の減少が見込まれる。地方への移住や人口減少という要因もあるため、JRと同様、非鉄道事業の拡大は必須といってよいだろう。

 

(6)EVシフトは製造業にどんな影響を与えるのか?

日本経済の屋台骨である製造業に関して、焦点となるのはやはりEV化の流れだろう。日本では再生可能エネルギーへのシフトについて懐疑的な意見が多く、一部の企業を除いて対応が遅れている。一方で欧米では予想以上のペースでEV化が進んでおり、テスラは2022年には100万台以上の生産を見込んでおり、2025年までには300万台以上を売る可能性も出てきた。

多くの人はテスラについて特殊なEVを販売する小規模メーカーとイメージしているかもしれないが、すでにトヨタの3分の1の規模を見据えるレベルまで事業を拡大させているのが現実だ。

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