2021.12.29

インフレ、円安…2022年の日本経済を「決定的に左右する」6つのポイントを読み解く

加谷 珪一 プロフィール

掛け声だけの賃上げで終わらせず、企業の体質転換を促す政策に踏み込めるのかが、経済面における岸田政権の成否の鍵を握る。

 

(4)日本企業のAI化は進むのか?

企業の側にも動きが出てきている。IT大手のヤフーは2023年度までに全社員約8000人に対して再教育を実施し、全員がAI(人工知能)を業務で活用できるようにする。同社は、AI活用の根幹であるアルゴリズム作成スキルを持つデータサイエンティスト、データを分析して社内業務に活用するデータアナリストを社内で養成し、両職種に該当しない社員に対しては、実務でAIを活用できるスキルの習得を求めていく。

この取り組みが成功すれば、基本的に全社員がAIを使いこなせるようになり、多くの事業がAIベースで再構築される。従来と同じ業務を圧倒的に少人数で実施できるので、余剰の人材は付加価値を生み出す新規事業に充当できる。新規事業についてもAIベースであれば、競合との差別化要因となるため、収益化に貢献するという仕組みだ。

同じくIT大手のGMOインターネットも、2022年度以降については、新卒採用を高度人材に限定する方針を決定している。これまでの時代、業務スキルというのは就職後、OJTで身につけるものだったが、高度IT化時代にはそうしたやり方では到底、スキルアップに対応できない。ヤフーは社内に多くのオンライン講座を開設する予定だが、あくまでスキルを高めるのは社員自身である。今後は大学への再入学などを通じた自主的なスキルアップも必須となるだろう。

上記のような取り組みが各社で進んだ場合、必然的に仕事に対して賃金を支払うジョブ型雇用へのシフトを促す結果となる。2022年は中高年を対象とした希望退職が急増するとの予測もあり、日本型雇用がいよいよ崩壊に向けて動き出す可能性が高い。

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