2022.01.09
# ライフ

「この手紙を10人に回さないと不幸が訪れます」…日本で「不幸の手紙」が始まった経緯

朝里 樹 プロフィール

いつしか「不幸の手紙」に変わった

そしてこれら幸運の手紙は後に「幸運が訪れる」という要素が消失し、「手紙を回さねば不幸が訪れる」という部分のみが残ったものが流布するようになった。

これは「不幸の手紙」と呼ばれ、先述の「『幸運の手紙』についての一考察」では1970年の秋ごろから世に現れたとされる。松山ひろし著『呪いの都市伝説 カシマさんを追う』においては1969年頃に九州で広がり始め、1年程の時間を掛けて大阪、名古屋、東京まで広まったという。

いずれにせよ1970年前後にこの「不幸の手紙」タイプが流布し始めたものと考えられる。

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また、「不幸の手紙」は手書きによって広められたものも多く、そのために「不幸」の文字が「棒」に見えるものがあったことで1990年代には「棒の手紙」という派生形が生まれたこともあった。

これは「不幸」の代わりに「棒」が文面に記されたことで「手紙を~人に回さなければ棒が訪れます」といった意味不明な文章ができあがっており、馬鹿馬鹿しい内容ではあるものの、「棒が訪れる」という何が起こるのか分からない文章は、読んだ人に不気味さを感じさせる。

そして不幸の手紙が現れた1970年代には、手紙ではなく口から口へと伝染していくパターンのものも現れた。そこで伝染するのはただ漠然とした不幸という概念ではなく、形や姿のある恐ろしいものたちだった。

【後編】『「このメールを10人以上に送らないと…」 不幸の手紙が「チェーンメール」に変わるまで』では、この形を持った不幸たちについて紹介していこう。

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