2022.01.04
# 年金 # 介護

3年以内に「介護破産」…母親の老人ホーム利用料に苦しんだ一人娘の大失敗

在宅介護を選ぶ意外すぎるメリット
酒井 富士子 プロフィール

残っていた900万円の貯金から一時金300万円を払うと、残りは600万円。初江さんが倒れてから半年で100万円も費用がかかっていて、さらに月5万円の利用料の値上げが重くのしかかる。合計して半年で130万円もかかるとなると、残りの資産では3年ともたないことになる。

「どう考えても、払いきれない。半年以内に他の施設に転院するしかない」

恵子さんの結論はそれしかなかった。

「介護破産」していたかもしれない

失意と不安の恵子さんに、「朗報」が届いた。初江さんの要介護度が「3」に上がったのだ。

「母親の要介護度が上がって喜ぶなど、不謹慎ですが、あの当時の私は完全に追い込まれていました。どうやって母親の面倒を見ていくか、毎日そのことで眠れませんでした。息子に大学進学を諦めてもらうのか、自分が会社を辞めて、実家で在宅介護をするのか…」

「要介護3」の認定が出れば、特別養護老人ホーム(特養)への入居が可能となる。少し遠くてもよければ、空きがあると、ケアマネージャーからも連絡がきた。恵子さんはすぐに、電車で1時間ほどの特養に初江さんを転院させた。一時金はなし、月額料金は12万5000円に下がった。

Photo by iStock
 

それから、約3年半。87歳を迎えた初江さんは今も、その特養で日々暮らしている。コロナ禍で会えない時期もあったが、今は、週に1度、土日のどちらかに会いに行けるようになった (緊急事態宣言中の2021年1月現在は、対面面会については一時中止・オンラインにて面会)。

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