著名投資家と新規事業家が教える「最も賢いお金との付き合い方」

藤野英人×守屋実対談・後編
藤野英人氏といえば、成長企業投資の「ひふみ投信」の運用で著名な投資家だが、金融機関勤務のサラリーマンから独立した起業家でもある。会社員時代、顧客だった中小企業経営者の生き方から学んだ大切なことが、「意志を持って、自分を主人公にして生きる」現在の生き方を決めているという。近著『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』でも、それが強調されている。その藤野氏は、守屋実氏の著書『起業は意志が10割』には共感するところが多いそうで、このほどお二人の対談が実現した。多岐にわたった話題の中から、後編として、お金が多いか少ないかを人生の軸としない、ウェルビーイング、つまり幸福に良く生きることの流儀をお送りしたい。きれいごとに聞こえそうだが、じつはウェルビーイングの追求が最も賢いお金との付き合い方を生み出すのだ。→前編はこちら

「カネの力に頼ったら、お前の中身が空っぽになる」

藤野 最近、自己決定することがウェルビーイングにおいて重要であるという研究が明らかになりました。それが正しければ、大企業で働くのは雇用が守られて報酬も安定していますが、自己決定をしている感覚を持ちにくいため、ウェルビーイングが総じて低まる傾向があるかもしれません。

 

守屋 よく言われることですが、お金では幸せにはなれないのでしょうね。僕は株を現金化していません。ミスミの元社長の田口(弘)さんに「お金を持つな」と言われたからです。「お金を持つと、自力ではなく金にモノを言わせるようになる」と指摘されたんです。実力ではなく、お金の力だけになってしまうことを懸念していたんですね。さらにいうと、「お前のことを見ずにお前の後ろの金を見始める者もあらわれる。そうすると、お前の中身が空っぽになるから、カネの力に頼るな」と言われたんです。

藤野英人氏

藤野 すごい教えですね。守屋さんは、資産家だけれど金持ちではないということですね。お金で不便は解消されますが、幸せになるかというと、お金そのもので幸せにはならないのです。たとえば、お金がたくさんあって友達が増えたというのは、お金に人が集まってきているのですよね。逆に、お金がない状態で友達がいっぱいいるほうが、純粋な人気で愛されているので幸せかもしれません。

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