切断した死体をトランクに詰めて…エリート官僚が起こした「バラバラ殺人」の恐るべき全貌

人間を殺し、頭や手足などをバラバラに解体して遺棄する「バラバラ殺人」。この「バラバラ殺人事件」の第一号と呼ばれてるのが、これより紹介する「鈴弁事件」である。

鈴弁事件はバラバラ殺人の水端であると同時に「恐ろしい殺人鬼が一時的に英雄視された」珍妙な事件として近代犯罪史に記録されている。

 

信濃川のバラバラ死体

事件の幕開けは1919年(大正8年)6月6月、新潟県を流れる信濃川だった。朝9時ごろ、牛乳の配達を終えた青年男性が岸に大きな革製のトランクが漂着しているのを発見した。

信濃川は雨が降ると流れが急になり、木材や家財道具が流れ着くことがあるが、革のトランクは珍しい。「きっと金目のものが入ってるに違いない」と邪(よこしま)な考えをもった牛乳配達の青年は、トランクを岸から引き上げた。

だが、そのトランクは青年が想像していたより重く、またツンと鼻をつくような異臭を放っていた。なんとか岸まで引き上げた青年が恐る恐る中を見ると、なんとトランクの中には手足がバラバラになった人間の死体が詰め込まれていたのだ。

〔PHOTO〕iStock

驚いた牛乳配達の青年はすぐに近くの駐在所へと駆け込む。警察がトランクの中身を恐る恐る改めると、中には青年の言う通り人間のバラバラ死体が詰まっていた。遺体の状態は酷く、長時間にわたり水にさらされたためかブヨブヨに膨れ上がり、さらにトランクに入っていたのは胴体と両腕だけで、首と両脚は入っていなかったのだ。

「この死体はいったい誰なんだ?」

地元警察は信濃川の近くで行方不明者がいないか調べたが該当者はなく、死体の主は不明のままであった。

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