夕張の苦境に想う…都会人が言う「もう経済成長はいらない」は正しいか

無自覚に行われる「地方搾取」について
御田寺 圭 プロフィール

人口流出「負のスパイラル」

全国の自治体のなかで、東京圏だけが若者の人口流入を達成しており、次点で近畿圏がギリギリのところで踏みとどまっている。*2 他の地域は軒並みこの二大都市圏に若者を吸い取られ、若年人口減少に歯止めがかからない。経済的にも人口的にも衰退する自治体にとどまっていては、ろくな進学先や働き口がない若者は、当人の意思にかかわらず、結果的に「都会に出る」ことを選ばざるを得ない。

「地元で生活するための基盤をつくれないがゆえに、都会に出ざるを得ない若者」が増えていけばいくほど地元の生産人口は減少する。生産人口の減少にともない地域経済がシュリンクし、さらに若者が生活のために都会に出ていくことを余儀なくされる――この悪循環から抜け出す画期的な方法は、まだどの自治体も見出せていない。

 

昨今「経済成長よりも持続可能性を優先すべきだ」「これ以上の豊かさはいらない」といった論調を盛んに見聞きするが、夕張の《いま》こそが、こうした「脱成長論」的な思想が本当に達成されたときに、全国各地で見ることになる町々の光景である。

私個人はもともと都会の生まれなので、YouTubeで自分の故郷の街歩き動画を見ても、(たしかに昔より商店街にシャッターは増えたように見えるが)明白には衰退の色はまだ見えてこない。その点においてはやはり恵まれているといえよう。自分の故郷が夕張ほどではないにしても、しかし夕張と同じ未来に向かって着実に突き進んでいるという人は、いま全国には大勢いるはずだ。

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