夕張の苦境に想う…都会人が言う「もう経済成長はいらない」は正しいか

無自覚に行われる「地方搾取」について

「未来の街」夕張

近頃の私は、執筆作業の合間のわずかな休憩時間にYouTubeを見ることをささやかな楽しみにしている。テレビでもYouTubeを見られる機能が搭載されているなど、便利な世の中になったものだ。

そんなある日のこと、YouTubeでなかなかにショッキングな動画を見かけた。「映画の街」あるいは「メロンの街」、そしてなにより「財政破綻した自治体」として知られる北海道・夕張市の《いま》を収めた街歩きの動画である。そこには、想像を絶する世界が広がっていた。

私が見た一群の「街歩き系」動画では、いずれも夕張の中心部を散策していた。ホテルなどのレジャー施設は経営破綻してそのまま建物が放置されているのはもちろん、街の中心部にある市役所すらも修繕のための費用が捻出できず、役所として機能しながら廃墟化が進んでいる有様で、まさしく圧巻の一言である。

全盛期には10万人を超えていた人口も、現在では7000人近くにまで落ち込んでいるという。夕張市の高齢化率は最新の2021年統計で53%を超えている。*1 現在では市内の小中学校は2校で十分に収まるほどしか子どもがいない。よほどのことがないかぎり加速度的な人口減少に歯止めをかけることはできないだろう。

Photo by gettyimages
 

しかしながらこれは、夕張市だけが陥った特異的な状況というわけではない。全国各地の小規模な自治体では、同時多発的かつ緩やかに起こっていることだ。夕張市は日本の地方社会の各所で生じるであろう「未来の姿」を、それこそ10年20年のスケールで先取りしているにすぎない。日本の多くの自治体は夕張市と同じベクトルの未来に向かって進んでいる。歩みの速度がそれぞれ異なっているだけだ。

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