疲労困憊、お金も厳しい…脳性麻痺児を抱える母親たちの「信じられないほどの苦労と苦悩」

いま日本にいる脳性麻痺児の数は、約2万4000人。その親たちは並々ならぬ苦労をしている。彼ら・彼女らの苦悩の一端を紹介する。

【前編】「「子どもの成長が怖い…」脳性麻痺児を抱える40歳母親の「信じられない苦労と苦悩」

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働きに出られない母親たち

「願っていた3人目を妊娠し、出産したら保育園に預けて仕事に戻るつもりでいました。しかし、障害児というだけで多くの入園を断られ続け、そんな社会に絶望を感じました。脳性麻痺がなければ、と、どれだけ強く思ったことでしょうか。結果、仕事ができない状態に追い込まれ、国が進める『女性の社会進出』とは真逆の現状が起こっているのです」

そう話すのは、現在、脳性麻痺を持つ6歳の子を育てる大槻加奈子さん(仮名・30代)だ。大槻さんにはこの6歳の子のほかに、高校生になる二人の子どもがいる。

「大学受験が控えており、障害児がいるかことが上の子たちの将来を左右することは絶対あってはいけせん。兄弟たちに進学を諦めさせるという、つらい思いをさせないため、私が、主人が休日の土日に働かなくてはなりません。家族団らんもできず、子どもたちに我慢を強いる環境です」

障害児がいることで、いわゆる“兄弟児”まで苦労を強いられているのだ。この状態は、国が推進する、こども庁設置をはじめとした、子育て支援政策の方針に反している状態ではないのだろうか。ヤングケアラーの“兄弟児”を抱える家庭は他にもある。

4歳の障害児を抱える坂本彩美さん(仮名・30代)だ。小学生の兄弟がおり、医療的ケアが必要な弟の世話に追われている。

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