2021.12.27
# 中国

別れ話のもつれを「世界的事件」に拡げた中国女子テニスプレーヤーの激情

彭帥事件の真相を読み解いてみたら
北村 豊 プロフィール

世渡りで権力トップの一角へ

一方の張高麗は1946年11月1日に福建省晋江市で貧しい農民の子として生れた。現在は75歳。4男1女の末っ子であったが10歳の時に父親を亡くし、母親が一家6人の暮らしを支えた。1970年に厦門大学経済学部を卒業すると、広東省の茂名石油公司へ配属を命じられ、運搬作業員から出発してとんとん拍子で出世の階段を上り、1984年には中国石化総公司茂名石油工業公司のトップである経理に就任した。

1984年に茂名市党委員会副書記に就任して政界入りした張高麗は、広東省政府副省長、深圳市党委員会書記などを経て、2001年に31年間勤務した広東省を離れ、山東省へ異動し、山東省長に就任。2002年には中国共産党第16期「中央委員会第一回全体会議(以下「一中全会」)」で中央委員に選出された。2007年には天津市党委員会書記となり、同年10月の中国共産党第17期一中全会で中央政治局委員に選出されて国家指導者の1人になった。

 

さらに張高麗は、2012年11月の中国共産党第18期一中全会で中央政治局常務委員の第7位に選出されたことで国家最高指導部の一角を占めることになり、天津市党委員会書記の役職を離れた。2013年には国務院副総理となり、2015年には2022年に北京で開催が決定した第24回冬季オリンピックの準備指導グループのグループ長として、北京オリンピックの準備作業を担当した。

2017年1月で71歳になっていた張高麗は同年10月に開催された第19期一中全会で政治局常務委員を退任し、2018年3月に開催された第13期全国人民代表大会第一回会議で国務院副総理を退任して、完全な引退を果たした。端的に言えば、張高麗には特筆すべき実績はなく、世渡りと「ゴマすり」の特技と幸運で頂点に上り詰めたと言える。

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