2021.12.27
# 中国

別れ話のもつれを「世界的事件」に拡げた中国女子テニスプレーヤーの激情

彭帥事件の真相を読み解いてみたら
北村 豊 プロフィール

世界ランキング入りするまでに

彭帥は1986年1月8日に湖南省湘潭市で派出所の警察官を父に生まれた。現在は35歳。母方の叔父について8歳からテニスの練習を始めた彭師は、その才能をめきめきと発展させ、10歳で全国少年テニス選手権のシングルスで優勝するまでになった。

しかし、12歳になった1998年に海外遠征のための健康診断を受けた結果、心臓血管の先天性異常である「動脈管開存症」であることが判明した。そこで急遽、血管内に「バネ(アンプラッツアー閉鎖栓と思われる)」を6本装着するカテーテル手術を受けた。手術は成功し、その後もテニスに情熱を傾けた。

2002年にトレーニングを受けるために米国へ派遣され、その後、程なくしてプロに転向した。2004年に女子シングルスの世界ランキングで100位入りを達成し、2005年には当時の中国で最高位であった31位となったが、2006年には米国で軽微な心臓矯正手術を受けた。2011年には自己最高ランキングの14位まで順位を上げた。

彭帥の名を世界に知らしめたのは、2013年のウインブルドン選手権で謝淑薇とペアを組んだ女子ダブルスで優勝し、2014年の全仏オープンでも同じく謝淑薇とのペアで優勝を果たした。2014年2月には女子ダブルスの世界ランキングで1位になった。

 

2019年1月の深圳オープンでは謝淑薇とのペアでダブルスに優勝、同年10月の蘇州オープンではシングルスで優勝した。2020年1月にオーストラリアで開催されたホバート国際(Hobart International)では中国の張帥とペアを組んでダブルスで準優勝した。

判明している限りでは、直近の世界ランキングはシングルスが306位(2021年11月8日時点)、ダブルスが71位(2021年5月31日時点)である。上述したように、先天性の心臓血管を抱えながら世界的なテニスプレイヤーとして活躍する背景には彼女の強靭な意思が感じられる。

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