慧眼とされる毎年恒例の「世界10大リスク」…日本人が知っておくべき「危機と混乱」の内容

町田 徹 プロフィール

侮れない予測

米国のコンサルティング会社「ユーラシア・グループ」は1月3日、恒例の「世界の10大リスク」を発表した。

米国のコンサルティング会社「ユーラシア・グループ」による2022年「世界の10大リスク」

1位を「No zero Covid」(ゼロ・コロナ政策の失敗)とし、中国の新型コロナウイルス対策の失敗が世界経済の混乱を招くとの懸念を示したほか、2位以下もズラリと大きなリスクを列挙したのが特色だ。

1位が中国のコロナ対策かどうかは別として、今年指摘された10大リスクはどれもジャーナリストとしてラジオの報道番組を3本プロデュースしている筆者もかねてからウォッチしていた問題で、改めてモニターを怠れないなと実感した。

この連載「ニュースの深層」は今回が2022年の第1回目でちょうどよい機会だと思うので、筆者のコメントを交えて注目の年次報告を紹介したい。

ユーラシア・グループは、もともと旧ソ連の研究を専門にしていた国際政治学者のイアン・ブレマー氏が1998年に、地政学的リスクの分析を専門とするコンサルティング会社として創設した。

10大リスクの年次報告は毎年1月に発表されているが、最初に大きく注目されたのは2011年だ。

「G0」(ジー・ゼロ)という言葉で、米ロの2大超大国時代やアメリカ1極体制が終わり、今日の世界的なリーダーシップ不在の時代に突入するリスクに警鐘を鳴らしており、慧眼とされた。

 

ちなみに昨年の1位は、「深刻な米国の分断」だった。「第46代大統領」というタイトルで、米国民の約半数近くが正当性に欠けているとみなす“バイデン政権”が抱えるリスクを指摘した。

トランプ前大統領が演説で「ペンシルバニア・アベニューを進め! 議事堂へ行くぞ!」と、自身の支持者らを煽り、暴徒化した支持者が選挙結果を覆そうと連邦議会の議事堂に乱入する事件を引き起こしたのは、この年次報告の公表のわずか2日後のことだった。

事件では5人が命を落とし、700人前後が逮捕され、150人近くが有罪となった。ユーラシア・グループの年次報告が改めて注目されることになったのだ。

それでは、今年版を紹介しよう。

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