47億年前、太陽系はどのようにして生まれたのか

『時間の終わりまで』読みどころ【5】

世界的ベストセラー『エレガントな宇宙』著者ブライアン・グリーンによる新作『時間の終わりまで』から本文の一部を紹介するシリーズ第5回。

なぜ物質が生まれ、生命が誕生し、私たちが存在するのか。膨張を続ける「進化する宇宙」は、私たちをどこへ連れてゆくのか。時間の始まりであるビッグバンから、時間の終わりである宇宙の終焉までを壮大なスケールで描き出し、このもっとも根源的な問いに答えていく本書から、今回は、太陽系がどのようにして生まれたのかを解き明かします。

太陽は宇宙創生から数えて三代目の恒星

齢45億を過ぎてなお、太陽は宇宙の新入りだ。太陽は、宇宙の第一世代の恒星のひとつではなかったのだ。恒星の先駆けとなった第一世代の星たちは、インフレーションの膨張で空間全体に引き伸ばされた物質とエネルギーの密度に生じた量子ゆらぎから生じた。その一連のプロセスをコンピュータでシミュレーションをしたところ、第一世代の恒星たちが核融合を始めたのは、ビッグバンから1億年ほどが過ぎ、宇宙が新たな激動の時代に入った頃であることが明らかになった。

第一世代の恒星たちは、太陽質量の数百倍から、おそらくは数千倍もの質量を持つ巨星だった可能性が高く、そんな星たちは猛烈な勢いで燃料を使い尽くし、すみやかに死に絶えただろう。

なかでもとくに重い恒星は、重力があまりにも強いために激しい爆縮で一生を終え、死後はブラックホールに成り果てただろう。ブラックホールは、われわれの旅の最後のほうで主な焦点となる、極端な配置になった物質だ。

【写真】恒星の爆発photo by gettyimages

第一世代の恒星たちのうちでも、そこまで質量が大きくないものは、超新星爆発で一生を終えただろう。超新星爆発は、複雑な原子を空間に撒き散らすだけでなく、次世代の恒星を作るプロセスの第一歩でもあった。

超新星爆発の衝撃波は、もとの恒星をバラバラに吹き飛ばし、その恒星を構成していた原子たちを莫大な力で圧縮して融合させた。しかしその衝撃波はそれだけでなく、猛烈な勢いで宇宙空間に広がりながら出会った分子雲をも圧縮した。そうして圧縮された領域は、周囲よりも密度が高いため、より大きな重力でまわりの粒子を引き寄せ、新たな重力の雪だるま現象を引き起こし、次世代の恒星誕生へと続く道のりの第一歩となった。

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