いちごのショートケーキが、「日本人の好み」にマッチしている「納得の理由」

むしろ「日本人のため」に開発された
12月24日が近づくと、洋菓子店やコンビニなどで見かけるクリスマスケーキ。チョコやタルトなど最近ではバリエーション豊かになったものの、やはり基本はショートケーキではないだろうか。実は「いちごのショートケーキ」は、日本人の好みに合うよう改良を重ねてできたお菓子だ。意外と知らないその由来について、『万国お菓子物語 世界をめぐる101話』から紹介しよう。
 

スポンジと生クリームの「斬新な組み合わせ」

日本における洋菓子の代表はなんといってもいちごをのせたショートケーキだろう。どこにもありそうでいて、世界のどの国にも見当たらない。思えば不思議なお菓子である。

『万国お菓子物語 世界をめぐる101話』より

ではこれはいつ頃生まれ、いかなるプロセスをもって完成され広まったのか。

このお菓子の組み立てはスポンジケーキと生クリームといちごである。このうちのスポンジケーキについては南蛮菓子カステーラとして伝わって久しい。またいちごも、江戸末期にはオランダ人によって今様のものが伝えられていた。

問題は生クリームである。幕末から明治初期にかけて牧場はすでに開かれていたから、牛乳の濃厚な上澄み、すなわち生クリームは、ほんの少しではあるが手に入ることは入っていた。ただ、お菓子に使うほど潤沢な量は望めなかったはず。

こんな時代がしばらく続き、大正13(1924)年頃、アメリカのデラバル社製の遠心分離式生クリーム製造機が輸入された。ちょうどその頃フランスより、リアルタイムの情報を持って一人の製菓人が帰ってくる。コロンバンというフランス菓子屋を開いた門倉國輝である。そして彼の手によって昭和11年(一説には6年)、ショートケーキの名で、そのお菓子が売られたという。

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