2021.12.28
# 動物

3匹に1匹の死因とも言われる猫のがん…専門医が伝えたいこと

飼い主に知ってほしいこと

猫の死因の最上位に位置するのが「がん」だ。北米で取られた統計ではおよそ3匹に1匹はがんで亡くなっていると推定されている。

2020年の一般社団法人ペットフード協会調べによると日本の猫の飼育頭数は約965万であり、1世帯あたりの平均飼育頭数は1.75匹。日本でも同様の割合と仮定すると、計算上、今飼われている猫のうち300万匹以上がこれからがんで亡くなる可能性があり、約180万以上の飼い主が猫のがんに直面することになる。

 

これほど多くの人と猫に関係がある病気であるにもかかわらず、腎臓病と比べると猫のがんへのメディア上の注目度はやや低く、そもそも「猫にがんがある」こと自体を知らずに飼っている人も少なくない。

そんななか、猫のがんについて早期発見につながるチェックリストや治療法、ネットの情報との付き合い方など飼い主向けの情報を網羅した『猫の「がん」 〜正しく知って、向き合う』(ねこねっこ)が刊行された。監修を務めた、公益財団法人日本小動物医療センター附属日本小動物がんセンター センター長の小林哲也氏に、飼い主が知っておきたい猫のがんについての基礎的なことを訊いた。

「猫のがん」の認知が進まない理由

――猫のがんは腎臓病と比べると注目されていないように思いますが、なぜなかなか認知が進まないのでしょうか。

小林 腎臓病は新しい治療薬の開発に関するニュースが出たことで注目度が高まった面が大きく、がんについても認知が進んでいないわけではないと思います。最近では私が勤めているがんセンターに、乳がん初期の小さいしこりができたニャンコも以前よりよく来るようになりました。早期発見に意識的な飼い主さんが増えているのかなという印象はあります。

ただそうは言っても、そもそも「ニャンコにもがんがある」ということからまだまだ知られていない気はしています。「ニャンコにもがんがある」ことをまず知ってもらえれば「じゃあ、どんながんがあるの?」「たとえばこんなものがあります」と伝えるきっかけができるのですが。

――がんが、ほかの病気と大きく違うところは何でしょうか。

小林 最終的に命を落とすことが多い点です。他の慢性疾患、たとえば心臓病や腎臓病は進行が比較的ゆるやかで長く付き合っていくことが多いのに対して、がんは進行が早い点が異なります。また、がんは年を取るとかかりやすくなる病気でもあります。高齢になると患いやすくなるのは腎臓病も同様ですから、「腎臓病もがんも抱えているニャンコ」が多いですね。

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