2021.12.27
# 生命保険

気をつけろ、インフレ・金利上昇で生命保険の価値は目減りしていく

「不確実な数十年後」をどう考えるか

生命保険にもインフレ・金利上昇の影響

デフレ経済からインフレ経済への転換を中心とした、社会・経済構造の激変がビジネスに及ぼす具体的な影響は、12月11日公開「インフレに転換すれば、ニッポンの『物流企業』が復権し、『e-コマース』を支配する可能性があるワケ」、11月27日公開「IT企業の『売り手市場』はもうすぐ終わる…次に頭角を現す『企業の特徴』」、11月8日公開「『プライベートブランド』がこれから『衰退する』と断言できるワケ」、11月1日公開「日本の『製造業』、じつはこれから『黄金時代』がやってくる…!」などで詳しく述べてきた。

それでは生命保険業界はどうであろうか。一般的に数十年単位の契約によって成り立っているこの業界は、「数十年に一度」の激変によって構造転換を迫られ、その存続の基盤が揺らいでいるように思える。

そしてこの激変は、「数十年後の未来」の「安心」を得るために毎月保険料を支払っているユーザー(保険加入者)にも大きな影響を及ぼす。

by Gettyimages

過去長きにわたって、日本人の寿命が延びることによる「死差益」によって生命保険業界はかなり儲けた。例えば、日本人の寿命が60歳から80歳に伸びれば、保険金の支払時期が先送りになる上に、(60歳の寿命を前提にした割高な)その間の保険料を毎月手に入れることができるから保険会社はウハウハだ。

もっとも、日本人の寿命は生物学的限界に近づいている上に、生活習慣病などの問題も深刻だから、寿命の伸びが止まるどころか短くなる可能性がある。そうなれば、保険会社は「死差損」を抱えることになる。

 

逆に、超金融緩和の影響による予定利率を下回る運用利回りの低下では苦しんできた。今後のインフレ・金利上昇で運用利回りは上昇するはずだが、それらが保険加入者に還元されるのだろうか。

あるいは、インフレによって将来受け取る保険金の(実質的)価値はどうなるであろうか。

このような問題点を中心に、以下保険会社とユーザー(保険加入者)の将来について考えてみたい。

SPONSORED