ワクチン2回接種しても面会不可…家族と病院の苦悩を解決する「ひとつの答え」

面会時のPCR検査無料化という朗報
小林 美希 プロフィール

岸田首相の答弁の意味

ただ一方で、前述したように老人ホームで働く介護職や病院の看護師からは「万が一にもクラスターが発生したら利用者の多くが亡くなってしまうかもしれない」という不安の声も大きく、介護施設の管理者は「感染リスクから離職が相次ぎ、これ以上スタッフが辞めたら運営できない。守りに入らざるを得ない」と、面会禁止の苦渋の決断をせざるを得ないのが現状だ。

ならば、面会する際にPCR検査を受けやすくできれば良いのではないだろうか。コロナ感染が心配でも無症状での検査は全額自費での検査になり、1万円以上かかることが多い。発熱など症状がある場合に医師が検査の必要性を認めれば保険適用され、自己負担分も無料となっている。

現在、(1)健康上の理由でワクチン接種ができない場合のPCR検査、(2)都道府県知事が感染拡大地域と認めた場合の無症状でのPCR検査の2つが無料化されている。これを病院などでの面会にも適用拡大できないのだろうか。

12月20日の参議院の予算委員会では、片山大介議員が岸田文雄首相に「面会したくてもできていないという現実があることを総理に知ってほしい」と、感染拡大地域以外でも面会時のPCR検査が無料化されるよう提案した。岸田首相は「国として面会について一律のルールを設けることは難しい」と前置きしつつも「無料検査を医療機関での面会で活用してもらいたい」と答えた。

この首相答弁の意味は何か。国は「ワクチン・検査パッケージ等定着促進事業」を行っており、飲食、イベント、旅行などの社会経済的な活動をする際に、無症状で健康上の理由でワクチン接種を受けられない人を対象に検査を無料化している。その既存のスキームを使えば、病院や介護施設での面会でも適用されるというのだ。病院からPCR検査を求められた場合は、検査費用が無料となる。

PCR検査を行うことのできる医療機関や1日の検査処理能力に限りはあるものの今後、病院側がPCR検査による陰性証明を家族に求めることで、家族の経済的な負担なく面会が可能になることが国会で明らかになった。

今のところ、感染拡大地域以外の地域では健康上ワクチンを受けられない人には限られているものの、面会時のPCR検査の無料化は、患者や家族、そして医療・介護のスタッフにとって一歩前進となり、朗報ではないだろうか。

 

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