ワクチン2回接種しても面会不可…家族と病院の苦悩を解決する「ひとつの答え」

面会時のPCR検査無料化という朗報
小林 美希 プロフィール

面会ができないことは苦情による看護師の心的負担ばかりでなく、患者の着替えの準備などの業務も増やしていく。さらに患者の担当看護師には、面会できない分、病状などを家族に電話で説明する必要も出てくる。看護師らスタッフの手が空く時間に電話しても、家族と連絡がとれるとは限らず、手間がかかる。

ある病院では「なんの連絡もしなければ問い合わせや苦情が増えます。かといって定期的に連絡をとったとしても、スタッフに電話で説明する技量がないと家族がかえってイライラしてしまい、結果、苦情が増えてしまった」(事務職員)というケースもあり、頭を抱えている。

打開策としてリモート面会を行うケースもあるが、スムーズに行くとも限らない。患者が認知症の場合や意識が鮮明でないと、タブレットを持つこと自体ができない。リモート面会に来る家族も高齢だとタブレット操作がうまくできないことも多い。そうなると、患者と家族それぞれにスタッフがつくことになるため、人手がとられてしまう。

 

「東京からの面会は一切、お断り」

地方では東京など感染拡大地域に住む家族の面会を拒むケースが少なくない。北関東のある病院は、「東京からの面会は一切、お断り」としている。また中国地方のある病院でも、「他県からの面会は2週間の待機かPCR検査で陰性が出てから」という状況だ。

介護の必要な高齢者が日中に通う「デイサービス」や介護施設に宿泊する「ショートステイ」でも、利用者の家に東京から家族が来ること自体が敬遠されがちだ。

関東圏内にある介護施設では、近隣の介護施設でクラスターが発生したことで介護職員が大量離職するなど混乱が生じ、周辺の施設は皆、神経を尖らせている。年末年始に向けて「ご自宅に東京の家族が帰省した場合、施設は利用できなくなります」と利用者の家族に周知しているという。

このように、多くの病院や介護施設で過度な面会制限がついているのが現状だ。もちろん看護師や介護職のスタッフにも「東京の人と会ってはいけない」という戒厳令が敷かれ、東京に出かけた場合は2週間の出勤停止という医療機関もある。

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