閣僚経験者が絶句「岸田には何もない。安倍でも国家観が、菅でも実行力があったのに」

首相動静はなぜ書き換わったか
小倉 健一 プロフィール

3回目のワクチン供給が追いつかない

午後は皇居で裕子夫人と皇后陛下誕生日祝賀に出席した後、5時9分まで衆院本会議に出席。夕方以降も行政改革推進本部や中谷元首相補佐官、自民党の上川陽子幹事長代理らとの面会をこなすなど精力的に公務を行っている。午後11時47分からは、米国のバイデン大統領が約110の国・地域を招いた「民主主義サミット」にオンラインで出席、宿舎に戻ったのは日付をまたいでいる。

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一見すると、多忙を極める首相像だけが印象に残る。だが、政府関係者によれば、この日、事前に調整していた重要な会議が急きょ延期されたというのである。

「延期の理由は、岸田首相がワクチンの3回目接種を前倒しすると表明したものの、供給が追い付かない懸念があったからだったと聞いています」(前出・政府関係者)

12月6日、岸田首相は新たな変異株「オミクロン株」の広がりを踏まえて、「できる限り前倒しする」と表明した。しかし、翌7日に後藤茂之厚生労働相は「現状で全国民を対象に接種間隔の前倒しを一律に行うことは困難」と説明。9日の参院本会議で岸田氏は、米ファイザー社との供給契約に関し「スケジュールの前倒しについて交渉を進めている」と軌道修正を図った。17日にはファイザー社トップと電話会談も行ったものの、供給スケジュールが見通せない自治体には困惑も広がっている。

自民党中堅議員の一人は憤りを隠せない。
「元経済産業事務次官の嶋田隆首相秘書官が傍にいながら、なぜ軌道修正ばかりが起きるのか理解できない」

オミクロン株への対応をめぐっては、11月29日に国土交通省が水際対策として国際線の新規予約停止を航空会社に要請。しかし、海外にいる邦人が帰国できないとして「憲法違反」などと批判が沸き起こると、首相は12月2日になって「一部に混乱を招いた」と撤回したことを明らかにした。

首相サイドは国交省の独断で停止要請したとするが、その背景には首相が「危機のレベルがわからない時は大きく構えなければならない」と周囲に漏らし、関係省庁にスピード重視の対応を求めていたことも理由にあるとされる。

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