米中は中国恒大債務危機問題のもみ消しを図るつもりなのか?

その先は結局、世界「複合危機」だ
大原 浩 プロフィール

実は裏で通じている米中?

2020年の大統領選挙でトランプ大統領を「どのようなあくどい手段を使っても」引きずり降ろそうとする大きな勢力が存在したのは、米中蜜月をトランプ大統領が破壊したからだと考えられる。

そして、今回の中国恒大に絡む市場の不気味な動きには、「経済問題」以上に「米中の政治問題」が大きく関わっているのではないだろうか。

以前、習近平政権のブレインとされる中国の学者である翟東昇(てき・とうしょう)氏が「中国当局はウォール街の金融機関を通して米政府をコントロールしてきた」と発言したことが話題となった。

「1992~2016年まで米中間に起きたすべての問題が2カ月の間で解決できたのは、『われわれは(米政府の)上層部にコネがある』ためだ。」とのコメントは、クリントン、ブッシュ、オバマの3代にわたって米国が媚中路線を維持してきたことを裏書きするといえる。この件の詳細は、昨年12月25日公開「中国の学者が大暴露『米国は中国に支配されつつある』って本当?」で述べた。

だが、2016年の大統領選挙で当選したトランプ大統領は、必死の抵抗を試みる媚中派と対峙し対中政策の「大改革」を断行した。しかし、抵抗勢力のなりふり構わない攻撃の中で行われた「疑惑まみれの大統領選挙」によりジョー・バイデン氏が「ごり押し当選」したため元の木阿弥に戻ってしまったといえよう。

バイデン氏は、翟氏が媚中と名指ししたオバマ政権の副大統領であった。当然その路線を引き継いでいるから、媚中路線が復活するのも必然である。

確かに、国際世論や国内の良識ある人々の声に押されて「北京オリンピックの外交的ボイコット」など人権問題を中心として中国と対峙しているように見えるが、あくまでポーズである。外交的ボイコットそのものが、「全面的ボイコット」や「1年延期、開催地変更」などの意見を封じ込めるための懐柔策とも考えられる。

 

また、民主党は戦前から浙江財閥との結びつきが強くその流れをくむ江沢民派と近いから、習近平政権とは対立しても「江沢民派とは(経済面を中心に)裏で握手している」ともいえる。台湾問題で強硬な姿勢を見せているのも、台湾が江沢民派(浙江財閥)の利権と密接に結びついているからといえよう。

人権など政治的問題のスタンドプレイでは習近平政権との対決姿勢をある程度見せても、民主党の利権の中核である江沢民派との経済的なつながりは温存するというわけだ。

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