モノや場所をつくる人は、つねにアンテナを張ってあらゆることを吸収しています。徳島の若きクリエイターたちの“お気に入り”から、ひと味違った徳島を感じましょう!

美しい藍色が輝きつづける
一生モノのものづくり

CREATOR no.001
Kenta Watanabe

NAME:渡邉健太
DATA:Watanabe’s
板野郡上板町瀬部314-10
☎080-1835-1731
山形出身。藍師・染師。藍の産地・上板町の「地域おこし協力隊」に応募し移住。2012年、藍の栽培から染色まで行う〈BUAISOU〉を立ち上げる。2018年に独立し、〈Watanabe’s〉を設立。国内外で幅広く活躍する。

ヴィンテージTシャツに藍染めを施した「OLD BUT GOLD×Watanabe's Tシャツ」(¥10000)など、さまざまなプロダクツを製作。藍について学べるイベントも精力的に開催する。

「染めるたびに藍色の美しさにハッとする」。藍に魅了され、藍師・染師となった渡邉健太さん。良質な藍色を生む「阿波藍」で栄えた歴史をもつ地・徳島で、伝統工芸品ではなく日常になじむものづくりを目指し、藍の栽培、藍染めの原料である蒅づくり、藍建て、染色、製造までを一貫して行うファクトリーブランド〈Watanabe’s〉を立ち上げた。

〈Watanabe’s〉のベースは“農業”。「美しい藍色に染めるためには、よい藍を育てることが必要」と、力を入れているのが土づくりだ。養豚場と連携して栄養価の高い肥料を開発。栄養をたっぷり吸収して育った藍は、冴えた藍色を生む理想的な染料液に仕上がった。「ものづくりに共感し合える人とじっくり仕事をしていきたい」と、ファッションブランドやシューズメーカーなどと連携したプロダクツ製作も行う。

また、県内の織布工場や縫製工場とともに、藍染めした糸から生地をつくり、デニムパンツやジャケットに仕立てるオリジナルプロダクツも進行中。「自分のつくった色がずっと残りつづけるようなものづくりをしたい」。一滴一滴に想いを注いで生み出される〈Watanabe’s〉の力強い藍色は、海外の人びとをも魅了している。

 FAVORITES 

納田牧場(アグリガーデン)

「徳島の名産・金時芋を混ぜた飼料で養豚を行う、工房に隣接する牧場。私たちが使用する堆肥を一緒に開発し、同じ地域で活動する者として刺激を受けています」
阿波市吉野町西条 西姥御前98-1
☎088-696-2983

FUJIMURA BAKERY

「クリームパンや具だくさんの惣菜パンがおいしい。ご両親がつくる季節の野菜にヒントを得てアイデアパンを生み出す店主・藤村さんの創作意欲に驚かされます」
板野郡板野町黒谷字中通27
☎088-672-2461

クエイル珈琲

「〈Watanebe’s〉でこちらの自家焙煎珈琲豆を愛飲中。毎日飲んでも飽きず、ストックを切らさないようにしています。焙煎室で出迎えてくれる店主の笑顔もいい」
名西郡石井町高川原 字天神709-1

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木の美しさ、その魅力を
ひと彫りひと彫りに込めて

CREATOR no.002
Yuki Ando

NAME:安藤由紀
DATA:ivory+
komorebi-to@kuc.biglobe.ne.jp
東京出身。木工作家。徳島の〈テーブル工房kiki〉で木の小物製作に携わったあと独立。国内外で個展や企画展などを多数開催している。

持ち手が特徴的な木のコップは山歩きのお供にぴったり。仕上げの塗料には食品安全法をクリアしたものを使用。

木と触れ合うこと、木を彫ること、木にかかわるすべてが好きでものづくりをはじめたという安藤由紀さん。お皿、お盆、お椀、カトラリー、アクセサリーなど、暮らしのなかで使える木の道具を製作している。「同じ種類の木でも育った環境によって個性が出ます。変わった木目、ひとクセある節を持つ木、美しい色の木、いろんな表情の木と出合えるのがおもしろくて楽しい」。

ひとつひとつの木の魅力を感じながら、時間をかけて手で彫った跡は不揃いに残る。その手触りがやさしく温かい。「使い込むほどに風合いが増すのも木の道具の魅力」と話す。藍やヤシャブシなどを使い、木を染めることにも挑戦。木の可能性を追求しながら、新しい作品をつくりつづけている。

 FAVORITES 

剣山

「徳島の最高峰。木々の種類が多くて、四季折々の情景を見られます。木を扱う仕事なので、山でどう木が生きているのかを知ることがとても大事な時間です」
徳島県三好市・美馬市・那賀郡那賀町

鳴門ウチノ海総合公園

「ホッとしたいときや、製作でモヤモヤしたときはよく海を見に行く。ウチノ海に日が沈む頃は、水面が少しずつ赤くなる様子がとても美しく心が落ち着きます」
鳴門市鳴門町高島字北679
☎088-687-3175

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多様な人や文化が往来し
豊かな暮らしの風景が生まれる場所

CREATOR no.003
Toshiaki Takahashi

NAME:高橋利明
DATA:うだつ上がる/TTA +A 高橋利明建築設計事務所
美馬市脇町大字脇町156
☎050-3433-8218
大阪出身。建築家。地域の魅力をひとつの素材ととらえ、「そこでしか成立しない建築」を提案する。週末営業の雑貨店を経て、2021年、建築事務所を兼ねた〈うだつ上がる〉を開店。

1階にはセレクトショップ、古着店、書店、2階には〈graf〉ショールームがある。風情ある中庭にも注目。

「うだつ」のある町屋が残る観光エリア「うだつの町並み」に生まれた複合文化施設〈うだつ上がる〉。「みんなの複合文化市庭」と称し、築150年の町家を改装したスペースの中には、代表の高橋利明さんが営む建築設計事務所とセレクトショップのほか、古着店〈gotoju〉、書店〈Phil books〉、大阪の設計・インテリア会社〈graf〉のショールームが入る。コワーキングスペースとしても利用できることから、さまざまなクリエイターも集う。

「背中を押してあげられる場所でありたい」と、週末には「間借り喫茶」などのイベントも開催。たくさんの人が交じり合うスクランブル交差点のような場所から、“うだつの上がる”人たちを生み出していく。

 FAVORITES 

NPO法人太陽と緑の会

「ハンディのある方たちが生き生きと働いているリサイクルショップ。掘り出し物を探しに行きます。宝探しをしているような気分になれる場所です」
徳島市国府町南岩延107-1
☎088-642-1054

吉野川第十堰

「歴史的に重要な自然の堰を残すために2000年に住民投票が行われ、守られた風景。中央に立つと周囲360度山の稜線が見え、徳島の暮らしの源を感じられます」
名西郡石井町藍畑第十