2021.12.22
# 企業・経営

なぜ日本人の賃金はずっと上がっていないのか? その「シンプルにして根本的な理由」

日本の賃金が上がらないという問題について多くのメディアが取り上げるようになった。筆者は数年前からずっとこの問題を指摘してきたが、当初は「日本を貶めている」「反日」といった誹謗中傷を受ける有様だった。このテーマが市民権を得たこと自体は良い方向性だが、日本経済の状況がいよいよ深刻になっていることの裏返しでもある。

岸田政権が賃上げを重視したこともあり、多くの論者が様々な見解や解決策を提示しているが、一方で議論が迷走しているようにも見える。あらためて日本の低賃金問題について整理してみたい。

〔PHOTO〕iStock
 

生産性を構成する要素は3つしかない

日本人の賃金は極めて低く推移しており、米国の約6割の水準しかなく、韓国にも抜かされた状況にある(購買力平価でのドル換算)。現代経済は完全にグローバル化しており、どの国の消費者も同じ製品を同じ値段で購入せざるを得ない。iPhoneは機種によっては15万円もする高額商品だが、日本人の1.5倍以上の年収がある米国人にとって負担感はそれほど大きくない。つまり賃金が低いことは、生活水準の低下に直結する問題となっている。

賃金が上がらない理由は様々であり、それ故に議論も錯綜しているが、経済学的に見た場合、賃金というのはシンプルな理屈で決まる。賃金は労働生産性に比例することが分かっており、各国の賃金格差は労働生産性の違いにほかならない。様々な識者から提示されている解決策というのも、基本的に生産性の問題に収れんすると考えてよいだろう。

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