たとえば獄中結婚で、文通だけでその人を好きになり、結婚するという例もある。でも本当に一度も直接会ったことがない人を好きになる、そんなことはあるのだろうか。

未婚の母のナナさんは、現在16歳の娘とNYに暮らしている。47歳のとき、墓場にもっていこうと思っていた娘の父親のことを娘に話すことができたことで、自身の婚活のことを考え始めた。そしてアプリを使って婚活を開始。なかなかディープな出会いを繰り返してきた。会社のお金を横領して逮捕されていたドタキャン男、国際ロマンス詐欺、超潔癖症でリアルでは会えない男性等々……。

そうしていろんな人に会っていく中で、明るくて楽しくて優しい男性だったのにベッドに入るとまるで違う人になってしまうこともあると知った。特に一番好きになった男性はSMの性癖があり、悩みに悩んだ末、やはり暴力は無理と諦めることになった。
感染症と避妊の対策をきちんとした上でのセックスも重要なことを知っていく。

厚生労働省の人口動態統計月報年計によると、2020年の婚姻件数は52万5490組で、前年の59万9007組より7万3517組減少し、婚姻率(人口千対)は4.3で、前年の4.8より低下している。「結婚していない」人が日本全国でも増えている。そんな今、結婚したいと思い、出会いに挑む率直な体験を綴る連載「NY婚活日記」、今回は2020年、コロナ感染拡大が猛威をふるっていたNYでの婚活での話。まさに「文章で好きになる」ことについて深く掘り下げていく。

ヤマサキナナさん連載「NY婚活日記」今までの連載はこちら
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「返事を書きたくなるメッセージ」とは

前回、たぶん、このサイトde婚活の中でも一番好きになった人が、とんでもない性癖を持っていたことで、友人とも、こればっかりはやってみないとわからないし、好きになった後にそんなこと分かったらだいぶショックだね、などと話し「次からは、いいなと思ったら会って3回目までにセックスをする」という誓いを立てて、次に行くことになりました。果たして、そんなにうまく行くかな…。

大好きになった54歳との男性とのほろ苦い終わりは、ベッドの中が原因だった…Photo by iStock

2月になりました。外は極寒。相変わらずコロナは猛威を奮っているよう。デート以外は誰にも会わない日々が続きます(デートもまずは屋外)。そんな中、とても感じの良さそうなユダヤ系アメリカ人Cからメッセージが来ました。

「こんにちは、プロフィール楽しく読みました。インドが好きなんですね。僕も何度かインドには行きました、最近行ってないのでまた行きたいなと思っているところ。明日は大雪みたいなので、備えてね」

なんとも、完結でスマートな導入。こういうメッセージ、意外と書けないんですよ。きちんとプロフィールを読んで関心を持ってくれていることが伝わってくる内容。それでいて短い文章の中に自分のことも織り込んでいます。

自己紹介には、職業は報道系カメラマン、好きな写真の仕事で生計が立てられていてラッキー。ユダヤ人だけど大学の時に仏教徒に改宗して、若い頃はインドや東南アジアを結構な頻度で旅行していたことがあり、コーヒーよりもお茶(緑茶)が好きで、ペスカトリアン(野菜プラス魚介類は食べる)、趣味はクロスカントリースキー、スイミング、サイクリング、長距離の散歩、バードウォッチング、と書いてありました。クロスカントリースキーとは、私が最もキツそうと見ているスポーツではないか!そしてバードウォッチングかぁ、なんとなく平和そう。歳は57歳、結婚歴なし。写真を見る限りファッションはアウトドア系で清潔感もありました。

読むだけで人物像が浮かんでくるようなメールだった Photo by iStock

とても返しやすいメッセージだったので、すぐに返事を書きました。

「メッセージありがとうございます。あなたのプロフィールも楽しく読ませていただきました。東南アジアはどこに行ったことあるの?私はファッションの仕事をしているのと、ビジネスパートナーがインドにいるので、彼女に案内してもらいインドでは布の産地を巡りました。ニューヨークに移住する時にはインドにしようかと悩んだほどインドも好きです。でも、娘がいるので、治安の良いニューヨークにしました。仕事はカメラマンなんですね。いいお仕事ですね。私も好きなことを仕事にできてラッキーだと思っています。と、お住まいはどこですか?私は〇〇です。今週末は雪なんですね、家にいることにします(笑)」