2021.12.25
# ライフ

サンタの国・フィンランドと日本、「生活保護」を比べてわかった「決定的な違い」

日本の「公助」は貧弱すぎる…
岩竹 美加子 プロフィール

「最後の経済的な支援」が持つ意味

フィンランドの社会保険庁は、生活保護を「最後の経済的な支援」としている。この「最後」の意味は2つある。1つは、まず失業手当や家賃手当、年金、給付型奨学金、育児休暇手当、病気手当、在宅育児手当、公的な養育費など他の手当を受け、それでも足りない場合に申請するという位置づけである。つまり他の公助を先に受給して、最後に受けるのが生活保護だ。

失業手当は3年以下の労働に対しては土日を除いて300日間、3年以上の場合は400日間支給される。職業組合に所属している場合、支払うのは組合。所属していない場合は、社会保険庁になる。金額は前者の方が大きい。

Photo by iStock(画像はイメージです)
 

家賃補助は低収入の人、または家計に対する手当で、学生も受けられる。

給付型奨学金は、高校以上のレベルで学ぶ場合に社会保険庁から支払われる。学費は小学校から大学まで無料、高校までは教科書や給食も無料だ。

在宅育児手当は、子どもを家で育てる場合3歳まで毎月支給される。現在の額は、月に341.69ユーロ(約4万4400円)である。

公的な養育費はシングルペアレント、もしくは離婚または別居している親が養育費を払わないとき、さらには女性カップルの子どもで認知する父親がいないときなど受給できる。これらは社会保健庁が支払う手当である。

「最後」の2つ目の意味は、貯金や持ち株、または多額の還付金、相続などによる一時的な収入が考慮されることを指す。ただし、車と持ち家の売却は求められない。日本では持ち家の場合、生活保護を認められないことがあるという。

日本の厚生労働省は、生活保護について「預貯金、保険の払戻し金、不動産等の資産の売却収入等(中略)を使い尽くした後に初めて保護適用となる」としている。「使い尽くした後に初めて保護適用」というのは、フィンランド的な感覚からすると「基本的な安全に欠ける」ことになる。それでは、生活の安全性やウェルビーイングを脅かす危険を伴うだろう。

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