2022.01.19
# エンタメ

『水曜日のダウンタウン』と格闘技「煽りV」をめぐる、テレビ局員の分かれ道

佐藤大輔×藤井健太郎×TaiTan
現代ビジネス編集部

TaiTan:でもここで藤井さんに聞きたいのは、いつ頃から拓けてきたというか、一部のコアなファン向けではなく、より広いターゲットに届くようになったのかっていう。

TaiTan(Dos Monos)

藤井:それはやっぱりダウンタウンさんじゃないですかね。

TaiTan:あぁ、そういうことですか。

佐藤:藤井くんは言いづらいだろうから俺が言うけど、ダウンタウンと、しかもどちらかではなく、二人と一緒に番組をやるってことは、相当のものを作らないといけないわけで。あの二人が納得するものをプレゼンしなきゃいけない。

『水曜日のダウンタウン』は、その構造がそのまま番組になってるのがすごいよ。あの二人に自分たちが作ったVTRを見せるって、かなりの大博打で、その博打に大勝ちしたよね。

藤井:いろいろ経緯があったとはいえ、結果的にはうまくいったかもしれないですね。ダウンタウンさんと番組をご一緒したことでポピュラリティを獲得したうえで、いまでは好きなこともそれなりに自由にやらせてもらえているので。

 

―ーいまでもすべての回で最終的な編集はご自身でやられているそうですが、後継者を育てる方向はあまり考えてないですか?

藤井:自分とまったく同じ感覚で編集できる人間を育てたとして、それって本人は楽しくないだろうなって思うんですよね。

佐藤:それは優しい。でも大事なことだ。

藤井:長く僕の下でやっているスタッフもいますけど、上の人間に合わせて作ってばかりいると、変なクセも付くし、自分のやり方とか好きなものを見失っちゃうんですよね。それで、いざ好きにやれる順番がまわってきたときには、得意なことが発揮できなくなる。

佐藤:上司が気に入るものを作るって、結局は人の真似をする能力だもんね。

取材・構成/おぐらりゅうじ 写真/西崎進也

第2回:『RIZIN』『大豆田とわ子』『蓋』が残した爪痕…一億総発信時代における「文脈の作り方」

佐藤大輔(さとう・だいすけ)
映像作家。総合格闘技イベント「PRIDE」ではチーフディレクターとして選手紹介映像、いわゆる「煽りV」の制作を手がけた。現在は株式会社佐藤映像代表、「RIZIN」で演出統括を務める
藤井健太郎(ふじい・けんたろう)
2003年にTBS入社。『リンカーン』『ひみつの嵐ちゃん! 』などのディレクターを経て『クイズ☆タレント名鑑』『テベ・コンヒーロ』等を演出・プロデュース。2016年には『悪意とこだわりの演出術』(双葉社)を出版。現在は『水曜日のダウンタウン』『クイズ☆正解は一年後』『オールスター後夜祭』などの演出を手掛ける
TaiTan(Dos Monos)
「Dos Monos」のラッパーとして2018年にアメリカのレーベル「Deathbomb Arc」と契約、3枚のアルバムをリリース。2022年1月にはvolvox incを共同創業。音楽のみならず幅広い領域の企画を手がけ、過去には、クリエイティブディレクターとして無料の雑誌『magazine2』やテレ東停波帯ジャック作品『蓋』などをプロデュースした。
Twitter:@tai_tan Instagram:@tai_____tan

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