2021.12.20
# エンタメ

ドラマ『最愛』が描いた、「秘密」を守る者・暴く者のコントラスト

最終回の「謎の行動」を読み解く
ドラマ『最愛』(TBS系)最終回の内容を含んでいます。

『最愛』は愛する人のために秘密を守る者と暴く者の物語である。毎回最後に挿入される黒い箱は秘密を閉じ込めるための箱だ。秘密を守る者はその箱に鍵をかけることで愛を貫く。その一方で秘密を暴かざるをえない者たちがいる。その攻防と葛藤がこのドラマを駆動してきたと言える。

物語の軸となるのは、ヒロイン・真田梨央(吉高由里子)と、梨央を愛する刑事の宮崎大輝(松下洸平)、そして梨央に寄り添う弁護士の加瀬賢一郎(井浦新)だ。最終回で大輝はある「不可解な行動」をとる。ここではその謎について考えながら、「秘密」を手掛かりに作品全体を読み解いてみたい。

TBS公式ホームページより
 

梨央と大輝の鮮やかな対比

秘密を守る者と暴く者の対比は、初回から鮮やかに示される。冒頭、白川郷の美しい風景とともに、寮夫の朝宮達雄(光石研)の娘で明るい梨央と白山大学陸上部エースの大輝との恋がみずみずしく描かれる。やがてこの恋はある事件に飲み込まれていく。

ことの発端は渡辺康介というクズの存在だ。渡辺は大学院で薬学を学び、その知識を利用して女性たちに強い睡眠薬を飲ませて眠らせた上で暴行したり、陸上部員にドラッグを与えたりしていた。

渡辺の魔の手が梨央に及ぼうとしたとき、梨央の幼い弟の優が姉を守るために渡辺を刺殺してしまう。優は興奮すると記憶を失う病気を抱えているため、事件のことを覚えていない。梨央は弟の携帯電話に録画された殺人の模様を見てしまうが、その動画を削除する。そしてその大きな秘密を胸に秘めて心に鍵をかける。梨央は優のために秘密を守る者となるのだ。

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